マスクイメージインテージは2009年9月16日、特定非営利活動法人疾患啓発推進センターと共同で行った新型インフルエンザに関するアンケートの結果を発表した。それによると、新型インフルエンザの対策として「こまめなうがい」「手洗い」は過半数の人が実施しているものの、「マスクの着用」などの物品の整備、さらには「外出を避ける」などの行動の制約行為については1-3割程度しか行っていないことが分かった。さらに流行度が深刻化しても3割以上は「各種外出を避けることはできない」としており、状況そのものをある程度楽観視している様子も見て取れる(【発表リリース】)。



今調査は2009年8月26日から31日の間、インターネット経由で15歳-79歳の男女を対象に行われたもので、有効回答数は10万6178人。国勢調査の人口構成比に合わせた集計を行った上で分析が行われている。

個人ベースで出来うる新型インフルエンザ対策を列挙し、それぞれについて「現在行っている」「今は行っていないが今後さらに流行度が深刻化したら行いたい」「流行が深刻なものとなっても行おうとは思わない」の3選択肢の中から一つを選ぶ形で質問したところ、全体としては「こまめなうがい」「こまめな手洗い」ではそれぞれ51.8%・72.8%が「現在行っている」という回答が得られた。季節性インフルエンザと同じ、しかも新しい道具などをそろえずに行える「対策」はすでに多くの人が実施していることが分かる。

新型インフルエンザ対策について
新型インフルエンザ対策について

新型インフルエンザ対策の象徴ともいえるマスクについてだが、現在着用している人は約1割。一方で備蓄している人は4割近くに達している。「マスクはすでにストックしてあるが、現在はまだ使う時期ではない」と判断した人が3割近くいる計算になる。

また、傾向を箇条書きにすると

・手洗いやうがいなど、行動制限や物品調達をしなくても済む対策は積極的に行われている
・マスクの備蓄はある程度進んでいるが、着用時期との判断はまだ少ない
・外出など行動制限のある対策は、現在実行している人は1-3割程度。流行が深刻化しても3割ほどは「対策としての行動制限は無理」とあきらめている
・食糧などマスク以外の備蓄はまだ意識が薄い

などの特徴がみられる。特に外出制限について3割の人が「お手上げ」と判断しているのは注目に値する。今後感染の拡大度合いを推し量る際には、この「3割」をどのように考慮するかを検討する必要があるだろう。

今回はグラフ生成を省略したが、マスクの着用や手洗い・うがいの実施について、若年層(特に10代)における実行意向度が低い(「行おうとは思わない」の回答率が高い)のが気になる。例えばマスク着用について、男性10代は32.2%・女性10代は21.3%が「行おうとは思わない」と回答している(全体平均は14.7%)。【東京都におけるインフルエンザ報告数(2009年9月17日版)】でも伝えているように、学校という集団生活の中で感染が拡大するリスクが生じている以上、若年層にはもう少し危機意識を(もちろん過剰で無い範囲で)高めてほしいものだ。



スポンサードリンク