ワクチン予防接種イメージインテージは2009年9月16日、特定非営利活動法人疾患啓発推進センターと共同で行った新型インフルエンザに関するアンケートの結果を発表した。それによると新型インフルエンザの対策としてのワクチンの予防接種について、過半数の人が接種を望んでいることが分かった。特に女性の子育て層や高齢者に接種意向が強い傾向が見受けられる。一方で階層別に多少の差はあるものの、全体で約2割は自分への接種を否定する意見も確認できる(【発表リリース】)。



今調査は2009年8月26日から31日の間、インターネット経由で15歳-79歳の男女を対象に行われたもので、有効回答数は10万6178人。国勢調査の人口構成比に合わせた集計を行った上で分析が行われている。

【医療関係者とハイリスク者などを対象・新型インフルエンザのワクチン接種優先対象者最終素案発表】でも触れているが、新型インフルエンザ用ワクチンの予防接種については、現在今年10月末の供給開始に向けた接種優先順位の意見受け付けが終了し、現在方針の最終決定待ちの状態にある。あくまでも任意接種のために接種の是非は本人の意思に任されるところがあるが、それでは個人としては接種に対してどのような思いを持っているのだろうか。全体としては5割強が「受けたい」、3割近くが「どちらともいえない」、2割強が「受けたくない」という結果になった。

新型インフルエンザワクチンの予防接種を受けたいと思いますか
新型インフルエンザワクチンの予防接種を受けたいと思いますか

・全体では5割強が「ワクチン接種を望む」。一方で2割は否定意思。
・男性より女性の方が接種希望率が高い。
・主に女性中堅(子育て層)、高齢者で接種意向が強い。女性30代はもっとも高い。
・50代は男女とも低めの傾向。

男性より女性の方が接種希望率が高いのは、本人の意思もさることながら子供を持つ母親としての意向が強く働いた結果といえる。特に女性の30代において、「是非受けたい」が24.3%と最も高く、「できるだけ受けたい」も合わせた「接種希望意向」が6割近くに達しているのも、その表れといえよう。

また高齢者の接種意向が高いのも特徴だが、なぜかその直前の50代は男女とも接種への意向が減少する傾向がある。これについてはリリース上で何の説明も無く、原因を見出だすデータも見つからない。単なるデータ上の「ぶれ」なのか、あるいは「一定の年齢以上の人には過去のインフルエンザ流行で免疫が出来ている可能性がある」という一部報道を信じたゆえの判断なのかもしれない。

なお【ワクチン接種優先対象者最終素案上の参考資料】にもあるように、ワクチン接種はさまざまな新型インフルエンザ対策の一つに過ぎないこと、ワクチン接種の目的は「死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと」であり、「そのために必要な医療を確保すること」であること、「インフルエンザワクチンの効果は100%ではない」ことなど、公的機関の発表している情報を咀嚼した上でワクチン接種に臨んでほしい。一部雑誌でことさらに危険を煽りたてる表現がみられるが、それらは「元々ああいうものだ」という認識でさらりと流すのが賢い対応の仕方といえよう。



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