混雑する病院の待合室イメージ病院検索サイトQLifeを運営するキューライフは2009年10月26日、新型インフルエンザの流行が医療機関の現場に及ぼす影響について、現場となる内科の医師に対して行ったアンケート調査の結果を発表した。それによると、風邪やインフルエンザの症状で外来受診する患者数が「調査時点で」去年より多いと回答した医療機関は、全体の6割を超していることが分かった。2倍程度が3割近く、3倍程度以上が1割強に達しており、多くの医療機関がオーバーフロー状態に陥りつつある様子が容易に想像できる結果となっている(【発表リリース】)。



今調査は2009年10月20日-23日の間にインターネット経由で内科医師に対して行われたもので、有効回答数は300人。男女比は84対16で、日本の医師数における男女比とほぼ同じ。年齢階層比は40代42.4%・30代26.0%・50代24.6%などで、日本の医師数比率と比べると40代の割合が多く、20代・60代以降が少なめとなっている。

調査時点で風邪様症状・インフルエンザ症状で外来受診する患者さんの数が昨年と比べて多いか少ないかについて尋ねたところ、全体では67%の医療機関が「昨年より多い」と回答する結果となった。

昨年と比べて風邪症状・インフルエンザ症状で外来受診する患者数は多いか少ないか
昨年と比べて風邪症状・インフルエンザ症状で外来受診する患者数は多いか少ないか

非公開データを元にした平均増加率は、全体では64%・病院で77%・診療所で48%に達している。つまり調査時点で風邪・インフルエンザ症状による来院数(他の病気も含めた全来院数ではない)は1.5-1.8倍程度にまで増加している計算になる。

傾向としては全般的に診療所よりも病院の方が増加傾向が激しい。これはリリースでも指摘されているが、「病院の方が大きいからキャパシティもあるだろう」「深刻かもしれないので病院でみてもらった方がいいかな」という、患者側の思惑によるものと思われる。

風邪症状・インフルエンザ症状で外来受診する患者の増加数が、「病院・診療所全体の患者数に対して」どれほどの増加率を見せているかは、今リリースでは明らかにされていない。しかし医療機関の負担が増えているのは確実で、今後流行が深刻化すれば、さらに負担が増加することは容易に想像ができる。

【厚生労働省発表の新型インフルエンザ関連の最新資料を箇条書きにまとめてみる】でも触れているが、医療機関が飽和攻撃を受ける形となり、インフルエンザ「以外」の医療行為に影響が出ることを少しでも防ぐため、患者側はいわゆる「モンスター患者」とならないよう、くれぐれも注意してほしい。