肩こりイメージマイボイスコムは2009年11月20日、肩こり・腰痛薬に関する調査結果を発表した。それによるとそれらの市販医薬品を使っている人が、その薬を選ぶ最重要項目として挙げたポイントは「効能・効果」であることが分かった。6割以上の人が「効用重視」と判断している。その他「価格」「におい」「成分」など実物の仕様が上位を占めており、「ブランド」」をはじめとした広告関連の項目や、口コミなどはさほど重要視されていないことも確認できる(【発表リリース】)。



今調査は2009年11月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3843人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代34%・40代30%・50歳以上22%など。

調査母体のうち85.0%が現在肩こり・腰痛を感じており、そのうち56.8%が医薬品を利用している。さらにその中で71.8%の人が市販医薬品を使っているので、概算としては調査母体全体の34.7%が「現在肩こり・腰痛を持ち、市販医薬品を使っている」ことになる。彼ら・彼女らに対して、自分が使っている医薬品はどんな点を重視しているかについて複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が同意を示したのは「効能・効果」だった。5人に3人までが「効果や効能を重視して、市販の肩こり・腰痛薬を購入している」と回答している計算だ。

肩こり・腰痛に使う医薬品はどんな点を重視して選んでいますか(肩こり・腰痛の市販医薬品を使用している人)(複数回答)
肩こり・腰痛に使う医薬品はどんな点を重視して選んでいますか(肩こり・腰痛の市販医薬品を使用している人)(複数回答)

「価格」や「におい」以上に「効能・効果」を重視しているということは、それだけ自分自身が感じる痛みが深刻であることの裏返しにもなる。「値段が高くとも、周囲への匂いが少々気になってもいいから、この痛みを少しでも和らげたい!」という思いが、この項目を重視させている。

「価格」は2番目、そしてやや数字が落ちて「におい」「成分」「効果の持続力」と続くが、それらはいずれもトップの「効能・効果」同様に商品そのものの仕様・性能に他ならない。8番目にしてようやく仕様以外の項目「メーカー・ブランド」が13.5%で顔を見せてくる。【胃腸薬、知名度も利用度もトップはお馴染みのあの薬】でも触れた胃腸薬におけるブランド力の強さと比べると、やや頼りなさを感じるところがある。

肩こり・腰痛の薬では
宣伝や口コミより
効用などの実力が重要。
グラフでは宣伝効果に属するものを赤色、口コミ効果を緑で着色してみた。「メーカー・ブランド」が最上位で、それ以外の項目はすべて少数派である事が分かる。例えば口コミではもっとも強力な「家族が使っている」ですら9.9%。広告効果では一番強そうに見える「CMなど広告イメージ」は「メーカー・ブランド」より低く5.8%でしかない。

薬のジャンル毎のブランド戦略・宣伝戦略の違いもあるのだろうが、少なくとも肩こり・腰痛の市販医薬品においては、利用者は宣伝よりも薬そのものの実力に熱いまなざしを向けているものと思われる。宣伝ばかりで内容が付いてこなければ、激しい競争を生き残れない。逆にいえばロングセラー商品は広報戦略はもちろん、それ以上に実力を備えたつわものぞろい、ということなのだろう。



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