疑問イメージDIMSDRIVEは2009年12月1日、新型インフルエンザに関するアンケート調査結果を発表した。それによると調査母体においては、新型インフルエンザのワクチンについてもっとも知りたいことは「副作用などはあるのか/どんな副作用か」についてだった。全体の半数以上がこのことを知りたいという結果が出ている。次いで「安全性」「予防効果の度合い」など、ワクチンそのものへの情報の不足がうかがえる結果となっている(【発表リリース】)。



今調査は2009年10月14日から10月29日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3263人。男女比は54対46、年齢階層比は10代0.7%・20代8.9%・30代28.2%・40代32.2%・50代19.0%・60歳以上11.0%。子供のいる人は55.3%。

すでに接種が始まっている新型インフルエンザのワクチンだが、無理解な伝え手による内容のものが見られるなど、いまだに報道・告知が不十分な感が強い。そこで、ワクチン接種について知りたいと思うことを複数回答で尋ねたところ、もっとも多い意見は「副作用などはあるのか/どんな副作用か」についてだった。52.2%と過半数の人が、正しい情報を求めている。

新型インフルエンザワクチンの接種について、知りたいことは何ですか(複数回答)
新型インフルエンザワクチンの接種について、知りたいことは何ですか(複数回答)

最近では「副作用」ではなく「副反応」と表現することもあるようだが、その「副作用(副反応)」に関する情報が欲しい人が多いということは、逆にいえばその情報が圧倒的に不足していることを意味している。【現在利用している新型インフルエンザ関連サイトのリンクを公開してみる】で紹介した各種関連の官公庁・あるいは専門団体のサイトを一巡すれば大体分かるはず、なのだが普通はそこまでやる人は少ない、ということなのだろうか。

それに次ぐ「安全性について」「どの位、予防効果があるのか」なども詰まる所ワクチン自身の情報が正しく、適切な量において伝えられていないことを意味する。もっとも普通の(季節性)インフルエンザのワクチンならば認知されているのは「病院などで注射で打たれる」「予防の役割を果たすが完ぺきではない」「可能性はゼロではないが、少数ながらも副作用はある(【関連資料:医薬品・医療機器等安全性情報No.261、PDF】)」くらいなのだから、仕方ないのかもしれない。

選択肢とその回答率を見ると、具体的な接種方法やそのプロセスなどに関する疑問も少なくない。不明・不安なまま接種に臨もうとすると、現場が対応に苦慮し、混乱を招くことも多々ある。【職場や学校の混乱の押しつけ・マスコミの扇動……医療機関が感じる新型インフル患者の特徴】でも説明しているが、情報の適切な展開がなされていないと、接種をしたい人だけでなく医療機関まで困ることになる。関連各所はもう少し配慮をして欲しいものだ。

なお今回の設問における選択肢で提示された疑問の多くは【厚生労働省のQ&A(PDF)】でその回答を得ることができる。気になる人は目を通しておくとよいだろう。