喫煙・禁煙先に【室内でタバコを吸う時お父さん どの場所一番 利用しますか?】に挙げたように、ファイザー製薬の「喫煙に関する父親とその娘の意識調査」の結果を元にいくつか記事を掲載しているわけだが、その過程で「そういえば喫煙率の変移はどうなっていたか」という疑問が頭に浮かんだ。以前のデータは【年齢別成人喫煙率】などで触れた通りだが、せっかく良い機会でもあるし、最新のデータに更新してグラフを生成しなおすことにした。



日本のおけるタバコの販売元・大元締めの【JT(2914)】や日本たばこ協会では【2005年以降のデータ】を公開している。一方でJTが厚生労働省に提出している年齢階層別の喫煙率データ推移を元に表組み化されたものは、【厚生労働省の最新たばこ情報】にて確認出来る。現時点では2009年度(2009年4月-2010年3月)までのものが用意してある。これを元にグラフを再構築したのが次の図。今回は直近の変移が分かりやすいように、期間を今世紀のみに限定したものも追加した。

なおJT側では「調査方法の変更により直接の連続性はない」としているが、その変化内容について確認してみると、2006年以降は調査母体数をほぼ倍増すると共に、回収方法を「訪問回収」から「郵送回収」に変更したものであり、調査結果の質の大勢には影響を与えないものと思われる(回収率の変化もほとんど見られない)。そこで一応「2006年以前・以後のデータに直接的な連続性はない」と前置きをしておく。

↑ 性別・年代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2009年)
↑ 性別・年代別喫煙率の推移(JT調査から)(-2009年)

↑ 性別・年代別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2009年)
↑ 性別・年代別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2009年)

一年で大きく概要が変わることは無く、

・男性は押し並べて減少傾向。特に60歳以降の高齢者、また最近では20-40代の若年-中堅層の喫煙率減少が著しい。
・女性は1980年前後を境に「高齢層>若年層」から「高齢層<若年層」に。
・女性は高齢者の喫煙率は減少傾向を見せているが、50歳以下、特に20-30代の喫煙率が上昇している。特に20代はこの40年で喫煙率が2倍増に。
・今世紀に入ってからは女性においては「若年層……横ばいか減少」「高齢層……横ばいか微増」。

などの傾向が見られる。

前回の記事で「ここ数年の間では若年女性でも喫煙率は横ばいの傾向があり、幸いにも増加する雰囲気は薄れている」と記したが、2009年度分のデータを加えて今世紀のみでチェックすると、微減しているようすが分かる。しかしその一方、高齢女性層では横ばい、さらには微増の兆しすら見えてくる。男性がほぼ全年齢層で漸減しているのと比べると、得意な現象ともいえる。

全体的には喫煙率は減少傾向にあるが、注視すべき動きもある。今後とも喫煙率の変移はチェックを続けるべきだと考えている。



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