肥満立国アメリカ以前【米研究機関いわく「このままだとあと40年で俺ら全員肥満体だぞ」】【世界の肥満度がビジュアル化されると……】で示したように、そして【「アメリカで一番健康に悪い」のらく印を押された朝食メニュー】などでたびたび登場するアメリカの「カロリーたっぷりな食事」を見てもお分かりの通り、アメリカ合衆国は「肥満立国」と表現しても過言ではない状態にある。先日[Calorielab]で、【アメリカ疾病予防管理センター(CDC、Centers for Disease Control and Prevention)】の最新統計データを元に算出された、最新のアメリカにおける州別肥満状況が発表されたのだが……開いた口がふさがらず、その口にチーズバーガーをごっそり押し詰められたような結果となっている。



↑ 肥満立国アメリカを示した図。「肥満」判定を受けた人の割合(3年平均)。赤が強い州ほど肥満率が高い
↑ 肥満立国アメリカを示した図。「肥満」判定を受けた人の割合(3年平均)。赤が強い州ほど肥満率が高い

↑ 上位10位の州における、最新2009年での肥満率・やや肥満率・両者の合計値(紫色の文字)
↑ 上位10位の州における、最新2009年での肥満率・やや肥満率・両者の合計値(紫色の文字)

「肥満」度合いの判断については、以前示したようにBMI値を用いている。このBMIとは「体重÷身長÷身長」で算出され、日本肥満学会ではBMIが22で平均的体格・体重、25以上を太り気味、18以下をやせ気味としている。そしてアメリカでは

・Underweight(低体重)……18.5以下
・Normal weight(標準体重)……18.5-24.9
・Overweight(やや肥満)……25-29.9
・Obesity(肥満)……30.0以上

と区分。今回の州別ランキングでは、過去三年間の「肥満」率を平均化し、その大きい順で上位を決定(3年平均を使ったのは単年度でのイレギュラー値による順位変動を避けるため)。そして最新データ(2009年分)における「肥満」「やや肥満」の割合を今回こちらでグラフ化した。

ミシシッピ州周辺もっとも肥満な州はミシシッピ州。3年平均で肥満率(BMI値30.0以上の人の割合)は実に33.8%。三人に一人は肥満。現状データでは35.3%にまで増加しており、さらに「やや肥満」を合わせた値になると70.2%。7割超が「肥満っぽい」という計算になる。元記事によれば同州は5年連続してこの「名誉なトップ」を確保しているとのこと。

他にも「8つの州では3年平均で3割以上の住民が”肥満(BMI30.0以上)”扱い(※原文では「9つ」だが表上のデータでは8つとなっている)」「10の州で三分の二以上が肥満かやや肥満判定を受けている」などの言及が見受けられる。誠に恐ろしい話ではある。

また、最初の地図を見れば分かるように、南部と東部に肥満傾向が強く、西部とニューイングランド(北東部の端にある州達)が低めなのが確認できる。理由について元記事では一切言及されていないが、食生活の違いや州毎の肥満対策へり取り組み姿勢の違いが結果として表れている可能性はある。

ちなみに下位5州を同じようにグラフ化したのが次の図。

↑ アメリカの州別平均肥満度下位5位(3年間平均肥満率順)
↑ アメリカの州別平均肥満度下位5位(3年間平均肥満率順)

ワシントンD.Cが凹んでいるが、これは最新年のデータが大きく減少しているため(順位は3年分の平均で算出)。それでも半数強が肥満判定を受けているという現実に変わりは無い。上位陣と比べれば10ポイント強の低さではあるが、色々と考えたくなるデータに違いは無い。

なおトリガーとなった記事のタイトルは【「The United States of Obesity(肥満合衆国)」】。アメリカ合衆国が「The United States of America」と表記するので、それにかけたものである。……なるほど。



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