甘味と幼児厚生労働省は2010年12月7日、「平成21年国民健康・栄養調査結果の概要」を発表した。それによると「間食」として甘味食品や飲料を「1日3回以上」飲食する習慣を持つ幼児の割合は19.5%に達していることが分かった。5年前の同様の調査結果と比べると、数ポイントながら減少している。しかし保護者の対応別にみると、保護者が特に間食の与え方に配慮をしていない場合、この割合は24.7%にまで増加することが確認されている(【発表リリース】)。



今調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とするもの。今回調査分では調査実施世帯数は3785世帯で、調査方法は問診及び計測調査による。生活習慣部分は留め置き法による自記式質問紙調査。

日本人の健康増進のための指針の一つに「健康日本21」があり、この中では「間食として甘味食品・飲料を頻回飲食(1日3回以上の飲食)する習慣のある幼児を15%以下に抑える」よう求めている。具体な理由としては【この項目部分】

甘味食品・飲料の摂取頻度がう蝕の発病に強く関わっていることは、国内の多くの疫学調査のほか、長期間の介入研究においても立証されている。特に砂糖については、口腔内細菌により菌体表面で不溶性グルカンを合成する際の基質となるなど、他の糖質よりもう蝕の誘発に深く関与していることが明らかにされている。

このため、甘味食品・飲料の摂取回数が多くなるほど、う蝕の発病リスクは高くなるが、幼児の健全な発育の観点から、1日2回程度の間食習慣は広く普及しており、ここでは1日3回以上の摂取を高頻度群ととらえ、リスク低減の目標と位置づけることとし、間食内容を工夫し、時間を決めて飲食する習慣を普及していく必要がある。

とあり、虫歯予防のための目標であることが確認できる。

今回の調査結果では、この値は19.5%となり、同様の調査を行った5年前の2004年分データと比較して3.1ポイントの改善が見られる。

↑ 間食として甘味食品・飲料を1日3回以上飲食する者(1-5歳)
↑ 間食として甘味食品・飲料を1日3回以上飲食する者(1-5歳)

数字を見る限り、特に1-2歳児の値の改善が著しい。

一方、保護者が積極的に間食の与え方に注意をしているか否かでは、大きな違いも確認できる。保護者のうち、間食の与え方について「決められた時間に食べる」「遊びながら食べない」「夜歯を磨いた後には食べない」などの配慮をしている人は46.6%。半数以上は注意を払っていないことになる。

↑ 保護者が幼児に間食の与え方に注意をしているか
↑ 保護者が幼児に間食の与え方に注意をしているか

そしてその区分別に、間食として甘味食品・飲料を飲食する回数の割合を3回未満・以上別で見ると、注意をしている保護者の幼児に限れば、すでに目標値の15.0%に達しているのが分かる。

↑ 保護者の間食の与え方別、間食として甘味食品・飲料を飲食する回数の割合(1-5歳)
↑ 保護者の間食の与え方別、間食として甘味食品・飲料を飲食する回数の割合(1-5歳)

逆に、特に配慮をしていない保護者の幼児では24.7%と1/4程度にまでふくれあがってしまっている。これは直接・因果関係的なものではなく、間食の与え方に配慮ができる保護者は、自然と「だらだらと何度となく、あるいは子供の求めにただ応じるがままに間食を与えてしまう」ことを抑える・しないようになるという、相関関係にあると見た方が良い。



歯磨き親子今件データを見る限り、幼児の虫歯予防として「幼児に対して間食としての甘味食品・飲料を与える回数の適正化」を促進するには、何よりもまず保護者の意識改革が求められることが分かる。子供のためにも保護者自身が正しい知識を身に付け、子供にしつけを行う必要が求められる次第である。

そして幼くとも子供は親の鏡であり、親の行動を見て真似することを忘れてはならない。親が積極的に間食を抑えたり、歯を磨いたり、決められた時間に食事をしていれば、自然と子供もそれを真似するようになるだろう。



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