鼻をかむ【大王製紙(3880)】は2011年3月1日、子供の花粉症に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、正しい「鼻のかみ方」が出来ていた母親は6割強に留まっていたことが分かった。その母親の子供に至っては5割強でしかないという結果が出ている([発表リリース、PDF])。



今調査は15歳以下の子供を持つ母親に対してインターネット経由で2011年2月10日に行われたもので、有効回答数は1000人。子供の年齢区分で0-3歳・4-6歳・7-9歳・10-12歳・13-15歳で均等割り当て。

老若男女を問わずこの時期は花粉症にさいなまれる人がそこかしこで見受けられ、春の到来を改めて思い知らされることになる。そして消費量がうなぎ上りとなるのが、マスクや鼻紙。

鼻の「かみ方」については子供の頃に教わった経験を持つ人もいるが、大抵は見よう見まねで覚えてしまうもの。しかし日常の社会生活上における他の習慣同様に、「正しい」と思っていたやり方が実は間違っていたり、さらには悪い影響すら及ぼすリスクを生じる場合もある。

今調査母体に【正しい鼻のかみ方(やべ耳鼻咽喉科 矢部院長指導)】http://www.yabejibika.com/teacol/t0604.htmlを確認してもらい、母親自身、そしてその長男・長女のかみ方が正しかったか否かを確認した結果が次のグラフ。母親本人は6割強、子供に至っては5割強しか正しいかみ方をしていなかった。

↑ 自分自身(母親)や子供が正しい鼻のかみ方をできていたか
↑ 自分自身(母親)や子供が正しい鼻のかみ方をできていたか

子供の多くは母親から鼻のかみ方を教わるものだが、その母親が間違っている以上、子供も正しいかみ方を出来るはずも無い。しかもグラフは略するが、「正しい鼻のかみ方」を見せる前に74.1%の母親自身が「正しいかみ方をしている」と認識していたことから、74.1%(正しいと思っていた)-63.1%(確認したが正しかった)=11.0%の母親が、かみ方を間違っていたことが判明している。さらに鼻のかみ方を子供に教えた経験のある86.8%の母親のうち、25.6%が間違ったかみ方を教えていたことも明らかにされるなど(全体比では22.2%)、「鼻のかみ方」の親子間の伝承には少なからぬ問題があることが明らかになっている。

人前で大っぴらに鼻をかむ人は少なく、その上、仮にそのかみ方が明らかに間違っていたとしても、正しいかみ方を教える「他人」は滅多にいない。つまり母親が間違ったかみ方を子供に教えてしまうと、その人は間違った方法を一生続けることにもなりかねない。現状では「学校で鼻のかみ方を教える」というのはさすがにやり過ぎかもしれないが、今後さらに花粉症発症者(率)が増え、子供でも鼻をかむ機会が増加することを考慮すると、それすら「やり過ぎ」では無くなるのかもしれない。



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