「加齢黄斑変性」見え方イメージノバルティス ファーマは2011年6月7日、「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」を中心とした眼の疾病に関するインターネット意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「加齢黄斑変性」の発症の有無を確認する格子状の専用チェックシートを使い、実際にチェックをした経験がある人は2割強でしかなかった。見たことすらない人は6割に達している。さらに全体に対し実際にこのチェックシートでチェックをしてもらったところ、「加齢黄斑変性」の可能性が想定される症状が確認できた人は5.3%という結果となった(【発表リリース】)。



今調査は2011年4月13日から5月9日にかけてインターネット経由で50-70代の男女に対して行われたもので、有効回答数は3300人。男女比・年齢階層比は非公開。

「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」とはAMD(Age-related Macular Degeneration)とも略される目の疾患で、歳をとるに伴い目の網膜にある黄斑部が変性を起こす(悪性の血管が生じる)というもの。症状としては、視界がゆがんだりぼやけたり不鮮明になったり中心が黒く見えるなどして視力が低下していく、特に60歳以上の男性に多く見られる病症で、潜在患者は約35万人ともいわれており、喫煙者に多い事が報告されている(詳細は専用サイト【加齢黄斑ドットコム】などを参考のこと)。


↑ 「加齢黄斑変性」に関するノバルティス ファーマの啓蒙動画。非常に分かりやすい。

この「加齢黄斑変性」にかかっているか否かを調べるのは、実は極めて簡単。【加齢黄斑ドットコムにも解説ページがある】が、格子状のチェックシートを片目で見て、ゆがまずぼやけず欠けず、普通に見えるかどうかを確かめれば良い。もしそのような症状が確認できた場合、「加齢黄斑変性」の可能性があると考えられる(即断定では無いことに注意)。

↑ 「加齢黄斑変性」チェックシート。実際には解説ページにあるチャートを印刷し、約30センチ離れて、(眼鏡をかけたままで)片目を閉じて、表の中央の黒い点を見つめる。片目ずつ見て、両目では見ないように。
↑ 「加齢黄斑変性」チェックシート。実際には解説ページにあるチャートを印刷し、約30センチ離れて、(眼鏡をかけたままで)片目を閉じて、表の中央の黒い点を見つめる。片目ずつ見て、両目では見ないように。

このチェックシートを使った検査をした経験がある人は22.4%。逆にチェックシートそのものを見たことすらない人は60.5%に達していた。

↑ 格子状の専用チェックシートを使って目の異常検査をしたことがあるか
↑ 格子状の専用チェックシートを使って目の異常検査をしたことがあるか

チェックをしていない人は約8割という計算になる。そこで調査母体全員にこのシートを使って確かめてもらったところ、5.3%(174人/3300人)もの人が、チャートが「ゆがむ」「欠ける」「中心がぼやける」などの症状があったと回答した。

↑ 格子状の専用チェックシートを指定の方法で見て、中心がゆがむ・欠ける・ぼやけるなどの症状はあったか
↑ 格子状の専用チェックシートを指定の方法で見て、中心がゆがむ・欠ける・ぼやけるなどの症状はあったか

この回答者174人全員が直ちに「加齢黄斑変性」と断定されるわけではないが、通常の人よりは高リスクであることに違いない。セルフチェックは言葉通り誰にでもすぐに実践が可能なので、気になる人(特に該当年齢の人)はチェックしてみてはいかがだろうか。

そして専用サイトでも「セルチェックで異常や自覚症状のある方は、今すぐお近くの眼科専門医に相談してください」と言及があるように、気になる結果が出た人は、専門医の扉を叩くことをお勧めしたい。



スポンサードリンク