心配アメリカンホーム保険は2011年6月22日、女性の「疲れ」に関する調査結果を発表した。それによると女性から成る調査母体においては、将来自分が発症するかもしれないと心配している病気のトップには「乳がん」がついた。半数強の人が気にしている。次いで「子宮がん」「更年期障害」「認知症」がいずれも過半数の値で続いている。全般的に「がん」への心配度は高いものの、「大腸がん」「肺がん」など一部の部位のがんはあまりリスクを感じていない傾向がある([発表リリース])。



今調査は2011年4月22日から25日にかけて全国(岩手・宮城・福島・青森・茨城県をのぞく)に対して携帯電話利用のインターネット経由で、20-49歳の女性有職者及び専業主婦に対して行われたもので、有効回答数は1002人。年齢階層比は20代・30代・40代で均等割り当て。

病気は誰にとっても怖いもの。ましてや経年と共に発症可能性が増加するものとなれば、色々と備えたり、予防策を調べて努力をしたり、定期検診を受けて早期発見を心がけることになる。今調査母体で「将来(自分が発症するかもしれないと)心配な病気」について複数回答で聞いた結果が次のグラフ。トップは「乳がん」で、過半数の人が心配をしている。

↑ 将来心配な病気(複数回答)
↑ 将来心配な病気(複数回答)

「乳がん」は特に女性に多い「がん」で、女性が気にするのも当然といえる。第二位の「子宮がん」も同様(というより、こちらは女性特有)。第三位の「更年期障害」も女性発症の場合が極めて多く、上位陣、そして過半数の人が気にしている病症はいずれも「女性が発症しやすい病気」ということになる。もちろん発症リスクが高い病気に対し(通常レベルでの)心配をするのは、ごく普通の現象といえ、心配する行為自身を気に病むことは無い。

全般に「がん」への懸念度は高めだが、「肺がん」の値が低めなのが気になる。しかしこれはあくまでも全体値での話。煙草を吸っているか否かで見ると、大きな違いが生じている。

↑ 将来心配な病気(「肺がん」回答者、喫煙状況別)
↑ 将来心配な病気(「肺がん」回答者、喫煙状況別)

喫煙者の「肺がん」への心配度は実に半数近く。これが卒煙者(以前喫煙していたが、今は禁煙している人)になると2割に減り、元々喫煙経験の無い人は1割強にまで減る。今回グラフ生成は略するが、全般的に喫煙者は「肺がん」以外にも「がん」全般への発症リスクを気にする人の割合が大きく、たばことがんの関係を多かれ少なかれ頭に想い浮かべていることが分かる。



余談ではあるが、現時点で最新の【厚生労働省による人口動態統計(確定数)の概況(2009年)】によれば、女性の死因トップは「悪性新生物」。実質的に「がん」がついており、次いで「心疾患」となっている。

↑ 2009年における女性の死因順位(全死因比率)
↑ 2009年における女性の死因順位(全死因比率)

【日本人の「3人に2人が『がん』になる」「2人に1人が『がん』で亡くなる」・がんの2015年問題とは】という話もある。正しい知識を持った上で、正しく恐れ、備え、予防策をこなしていくべきだろう。