健診[マルハニチロホールディングス(1334)]は2011年11月8日、40代-50代の健康に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、社会人になってから健康診断をしたことが無い人が約3%いることが分かった。ほぼすべての人が診断経験はあるものの、直近一年間に限ると7割近くにまで受診率は減少する。また有職者よりもパートやアルバイト、無職などの非有職者の方が受診頻度が低い傾向にある(【発表リリース(PDF)】)。



今調査は2011年10月15日から17日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。40-59歳の男女限定とし、男女比は1対1、年齢階層比は40代・50代で1対1。調査実施機関はネットエイジア。

通常の会社であれば年一度は行われる健康診断(法定検診)。病気は予防、そして早期発見が大切なため、定期的な健診は健康維持のために欠かせない行事の一つ。今調査母体は40-50代を対象としているため、自分の病理の有無が気になる人も多いはず。その不安を解消するためにも、健診は必要不可欠なもの。

今調査母体では全体の3.1%が「社会人になってから健診を受けていない」と答えている。最若年でも40歳のため、20年前後は健康診断の類を受けていない人が33人に1人は居ることになる。

↑ 社会人になってから健康診断を受診しているか
↑ 社会人になってから健康診断を受診しているか

それらごく少数をのぞけばほとんどの人が受診しているが、直近一年に限ると66.8%まで比率が下がる。健康診断は基本的に年一で行われるが、何らかの事情(面倒、当日病気などで欠席)で受診しなかったのだろう。

男女別では女性の方が「直近1年で受診している」率が低い。これは「受診頻度は女性の方が低い」ことを意味する。しかし単純に「女性だから」では無く、直下項目の「有職者か否か」の項目で「有職者は毎年健診を受ける率が高い」こと、そして女性そのもので有職者率が低い事(今調査母体では男性は94.4%・女性は32.2%)が原因。つまり正確には「女性は(有職者率が低く、会社による定期健康診断を受ける機会が少ないため)受診頻度が低い」ことを表している。

それが明確に分かるのが次のグラフ。男女それぞれ有職者・非有職者で区分した上で、同じ設問をしたもの。男性の非有職者は回答母数が小さく(28人)、参考値ではあるが、男女とも有職者の方が直近1年間の受診率が高い。

↑ 社会人になってから健康診断を受診しているか(男女・職業体系別)
↑ 社会人になってから健康診断を受診しているか(男女・職業体系別)

パートやアルバイト先で健診の手続きをしてくれるところもあるが、少数派でしかない。ましてや専業主婦・主夫、無職の場合には自発的に足を運ぶ必要がある(もっとも調査母体の年齢になれば特定健診の誘いがある)。有職者に比べ、非有職者の受診率が低いのも仕方あるまい。

もちろん、受診しなければ病気にならないわけではない。病理が見つからない・分からないだけの話。そして症状が悪化してはじめて病院に足を運ぶなり見てもらった場合、事態が悪化している可能性は高い。多少の労苦と費用負担はあるが、面倒くささだけで健診をパスしている人は、今調査母体対象となる40-50代以降に限らず、どのような年齢の人でも、そして今年からでも是非受診して欲しい。


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