咳込みQLife(キューライフ)は2011年12月15日、「長引く咳(せき)」に関する実態調査結果を発表した。それによると調査母体においては、1週間以上長引く咳を体験したことがある人は5割強に達していることが分かった。8週間以上継続する咳の経験者も1割強に及んでいる。それら「長期の咳体験者」が困ったこととしては、「集中力が続かない」「人が多い場所に出かけづらい」「静かな場所に出かけづらい」などが挙げられ、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)がいちじるしく低下するようすがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。



今調査は2011年11月18日から27日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は6933人。男女比は4032対2901、年齢階層比は10代から10歳区切りで0.04%・0.3%・2.5%・35.7%・34.1%・18.9%・7.9%・0.6%。

これから寒さが増し、風邪やインフルエンザが流行る時期になると、老若男女を問わず「咳(せき)」が気になってくる。アレルギーや周囲環境の変化、季節の変わり目、精神的な疲れなどが原因の場合もあるが、多くは体のトラブル(特に風邪やインフルエンザ)を起因とするものだからだ。そして咳は見た目以上に体力を消耗し、集中力を奪い、QOLを減退させる。起因によっては数日、数週間と続く場合もあり、やっかいな病症に他ならない。

今調査母体に対し、一定期間以上に渡り、咳をする日々が続いた経験があったか否かを聞いたところ、(少なくとも)一週間以上は続いたという人が54.6%と過半数に達する結果が出た。

↑ 一定期間以上にわたり咳をする日が続く、「長引く咳」の経験があるか(複数ある場合は長い方)
↑ 一定期間以上にわたり咳をする日が続く、「長引く咳」の経験があるか(複数ある場合は長い方)

中には8週間以上、つまり2か月以上に渡り咳込み続けたことがある人もいる。風邪にしては長すぎるし、百日風邪や喘息、肺炎、さらには服用している薬の副作用の可能性も否定できないので、そこまで長引く前に医療機関に足を運ぶべきとも考えてしまう。あるいは医療機関で診察を受けて、治療中の身で継続しているのだろうか。

長期間咳が続くと当然日常生活にも支障が生じる。継続する咳の経験者に、どのような点で悩んだ、困ったことがあるかについて、複数回答で聞いた結果が次のグラフ。5割近い人が「仕事・家事に集中力が続かない」とし、注意散漫な時間を過ごす苦痛を訴えている。

↑ 長引く咳が起きた時に、普段の生活において困ったこと・悩んだこと(複数回答)(長引く咳の経験者限定)
↑ 長引く咳が起きた時に、普段の生活において困ったこと・悩んだこと(複数回答)(長引く咳の経験者限定)

集中力が続かないので、仕事も家事も効率が落ちるし失敗を重ねてしまう。外出はしにくいし、いつもより余計に色々な備品を持ちあるかないと不安になる。グラフ化は略するが、咳が原因、あるいは咳と同時に「体力の消耗」「不眠」「息切れ」「血圧上昇」など具体的な身体面のトラブルも発生しており、「たかが咳」と甘く見ると痛い目にあう。

そしてこれらの連鎖症状も合わせ、今件グラフの症状を裏返して考えれば、「自宅で何もせずに安静にして体力を回復し病状からの復帰を待つべし。あるいは医者に行くべし」というメッセージが浮かび上がってくる。咳もまた、体から発せられる危険信号と見なすことができよう。



「咳が続く場合、安静にして休むか、医者に行くべし」。しかし多分に花粉症同様、「分かってはいるが、そういうわけにもいかない」という場合は多い。また詳しくは別途取り上げるが「たかが咳」とばかりに軽視し、多少の無理をごり押ししてしまうこともある。

確かに少々の咳までいちいち病院に足を運んだのでは、時間と医療費がいくらあっても足りない。しかし他の症状を併発し明らかに異変が生じている状況の時や、通常とは異なる頻度で咳がしばらく続き、収まるようすを見せない場合、何か深刻な問題が体内・周辺環境で発生している可能性もある。あまり無茶なことをせず、特に風邪やインフルエンザのリスクが高くなるこの時期は、診察を受けることをお勧めしたい。



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