病院と救急車東京海上日動あんしん生命保険は2012年5月14日、「がん」に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、自身ががんを発症した場合、「手術費用や放射線治療費用」だけでなく、「抗がん剤治療費用」「入院費用」など、多様な出費が必要になるとの認識を持つ人が8割を超えていることが分かった。一方で「がんの治療費が平均100万円」との話に対しては6割近くが「高い」と認識していることも明らかになっている。費用がかかると分かっていても、実額を聞くと躊躇してしまうようだ(【発表リリース、PDF】)。



今調査は2012年1月21日から23日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1032人。男女比は1対1、年齢階層比は20代206人・30代412人・40代258人・50代156人。

【主要死因別に見た死亡率(1899年以降版)】にもある通り他の病症の治療法が進んだこともあり、相対的に主要死因となりつつある「がん」。当然各人の周辺でも発症者の話を耳にする機会が増え、注目も集まるようになる。

その「がん」を発症した場合、どのようなことにお金がかかるのかを聞いた結果が次のグラフ。入院中の費用には8割5分以上の人が理解しており、多種多様に治療で高額が必要になることは、それなりに認識されている。

↑ 「がん」を発症した場合、どのようなことにお金がかかると思うか(複数回答)
↑ 「がん」を発症した場合、どのようなことにお金がかかると思うか(複数回答)

闘病中は一般的に仕事につけなくなるため、その間の生活費も必要になる(二人以上世帯で相方なり保護者が支えてくれるのなら話は別だが)。さらには保険適用外の先進医療を受けるためには、多額の費用が必要となる場合も多い。このような可能性があることをも7割の人が知っている。表現を変えれば「多種多彩な費用が生じる」ことを理解している。

ところが「がんの平均治療費は100万円である」という話には、多くの人が「高い」と考えている。

↑ 「がん」の平均治療費が100万円といわれたらどう思うか
↑ 「がん」の平均治療費が100万円といわれたらどう思うか

この「高い」が「がん治療という効用に対してコストパフォーマンスが悪い」という意味なのか、「単純に金額として高い」という意味なのかまでは判断しかねる。だが、ともあれ金額としては「もう少し安くても良いのではないか」と考えている人が多数に及んでいるのが分かる。

公的な保険制度を活用すれば高額療養費制度を用いることで、保険適用範囲における医療費をカバーできる。保険適用外の先進医療の費用も、対応している民間の保険は多数見つけることが出来る。「高い」と考えるのなら、まずは現実を理解した上で、少しでも安くあげられる仕組みを学び、実践し、備えておくにこしたことは無い。