水虫患者ニールセン・カンパニー合同会社は2012年8月2日、水虫患者における日米比較調査結果を発表した。それによると調査回答者においては、アメリカよりも日本の方が水虫患者の出現率が高いことが分かった。男性で5倍近く、女性でも3倍近くの値が確認できる。また、患者における症状部位としては、足周りが多いが、アメリカの場合は手や顔など他の部位でも多くの発症が報告されている(【発表リリース、PDF】)。



今調査は2012年7月11日から18日かけて日米双方とも20歳以上の男女に対してオンラインで行われたもので、「水虫の症状があり、処方薬/市販薬のいずれか、または両方を使用している人」を「水虫患者」(アメリカでの調査時には白癬(Ringworm)と説明)と定義。この「水虫患者」であるか否かをカウントすることで、患者出現率を算出している。また、患者のサンプル数は日本200、アメリカ120で、男女・20-30代と40歳以上でそれぞれ均等割り当て。

今調査を行うにあたり、「水虫患者」を調査必要数集めるまでに行った問いから逆算し、水虫患者の出現率(=推定水虫患者率・水虫浸透率)を求めた結果が次のグラフ。

↑ 水虫患者の出現率
↑ 水虫患者の出現率

ここでの「水虫患者」とは単に症状(っぽいもの)が自認できるだけでなく、薬を使って治療をしている人を指す。そこまで絞り込みをしているが、それでも日本の男性では10人にほぼ1人、40歳以上なら約7人に1人が該当することになる。一方アメリカでは男女ともに日本よりは少なめ(唯一若年男性層で日米が逆転している)。

その「水虫患者」の具体的部位だが、出現率同様に日米で大きな違いがある。

↑ 水虫症状部位(患者対象、複数対象)
↑ 水虫症状部位(患者対象、複数対象)

日本は圧倒的に足周りの発症率が高い。特に「足の指」は患者の8割近く、「足の裏」は7割近くが発症している。一方アメリカでは4-5割程度でとどまっているが、代わりに他の部位でも同じ程度の発症率が確認される(日本は1割内外でしかない)。

これは多分に日米の履物文化の違い、気候の違いによるところが大きい。高湿度の環境で靴・靴下履きが続けば、自然と足回りが湿っぽくなり、水虫の発生には好条件が整うことになる(間接的に汗のかきやすさなど個体差のある体質も影響しよう)。

水虫リスクを減らすには、こまめに足そのものはもちろん、靴や靴下も洗い、共用施設での履物には配慮をする、必要でない時は靴下を脱いで蒸れないようにするなど、日ごろの心構えが求められる。一つ一つは簡単なことだが、その積み重ねで少しずつリスクは軽減されるというものだ。