注射QLifeは2012年11月19日、世帯所得別のインフルエンザの予防ならびに治療行動に関する一般生活者へのアンケート結果を発表した。それによると調査母体においては、11月上旬の調査時点で今年分のインフルエンザの予防接種をすでにした人は1割強にとどまっていたことが分かった。これからするつもりの人が1/3強いる一方、しないつもりの人は過半数に達している。世帯収入別に見ると、低収入ほど非接種・接種するつもりが無い人の割合が大きく、しない理由も低収入ほど「費用が主」と答える人が多かった(【発表リリース】)。



今調査は2012年11月9日から10日にかけてQLife会員では無い外部大手のリサーチ会社のモニター会員を対象に、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。世帯年収は401万円以上に限定(回答数が少数なこと、公的・私的援助の想定もあり回答にぶれが生じやすくなるため、400万円以下は除外)。男女比は677対323、世代構成比は20代45・30代227・40代417・50代311。

「インフルエンザ」というと昨今では2009年に流行した新型インフルエンザが記憶に新しいが、現在ではそれも通常の季節性インフルエンザへと移行している(【新型インフルエンザ(A/H1N1)、季節性へ移行・「インフルエンザ(H1N1)2009」に】)。今回は特に記述も無いが、季節性のインフルエンザに対応する予防接種について尋ねている。

まずは回答時において今年分のインフルエンザ予防接種をするか・したか。すでにした人は11.4%、今後するつもりの人は34.8%。

↑ 今年、インフルエンザの予防接種をするか・したか
↑ 今年、インフルエンザの予防接種をするか・したか

過半数は予防接種をするつもりが無いと回答している。

これを世帯年収別に見たのが次のグラフだが、ややばらつきはあるものの、ほぼ「高年収ほど対応済み・対応予定」の動きをしているのが分かる。

↑ 今年、インフルエンザの予防接種をするか・したか(世帯年収別)
↑ 今年、インフルエンザの予防接種をするか・したか(世帯年収別)

見方を変えれば、低年収ほど予防接種を避ける傾向があることになる。

年収区分でこのような結果が出た以上、ある程度予想はつくのだが、なぜ予防接種をしないかを「費用が主な理由(高い、負担が大きい)」「費用以外が主な理由(時間が無い、体に合わない、健康には自信があるなど)」の二択で聞いた結果が次のグラフ。やはり低年収ほど「費用が主な理由」という結果が出た。

↑ インフルエンザの予防接種をしない理由(しないつもりの人限定)(世帯年収別)
↑ インフルエンザの予防接種をしない理由(しないつもりの人限定)(世帯年収別)

詳しくは別の機会に触れるが、やはり低年収ほど「インフルエンザの予防接種の値段は高い」という意見が多く出ている。つまり金銭面で予防接種のハードルが高いと判断し、敬遠してしまった人が低年収世帯では多いことになる。またリリースでも結論として、経済格差が病気の「予防」格差を生み出している可能性があるとして、この状況を危惧する意見を伝えている。

一方で予防接種には多種多様な意見が挙げられている事実もある。最終的には本人の考え、環境の上での判断に任されることになるが、接種すると決めた場合、出来るだけ早く実施してほしいものである。



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