減量中アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年11月22日、アメリカにおける「自己申告による理想的な体重と自分の肥満度調査」の結果を発表した。それによるとアメリカ人の大人全体としては、自分の体重を減らしたいと考えている人は5割強に達していることが分かった。その一方で真剣に減量に望んでいる人は1/4に留まっている。男女別では女性の方が減量意向・実行実態共に強い傾向にある(【発表リリース「Americans Continue to Adjust Their Ideal Weight Upward」】)。



今調査の最新版は2012年11月15日から18日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の無作為抽出(RDD方式)で選ばれた男女に対して電話による音声通話(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は1015人(男性515人・女性500人)。質問には英語以外にスペイン語も用いられ、かけた先の電話の種類は固定電話・携帯電話で6対4の割合。2010年3月の国勢調査に基づいたウェイトバックがかけられている。

【アメリカ人が意識する理想体重と実体重】【アメリカの肥満状態(2011年分版)】などにもある通り、自他共にアメリカでは肥満状態にある人が増えている。そこで「今後自分の体重をどうしたいか(願望)」を聞いたところ、直近では54%の人が「減らしたい」と考えていることが分かった。「増やしたい」人は8%に留まり、「現状を維持したい」人も38%。過半数のアメリカ人は「痩せたい」と考えていることになる。

↑ 今の体重をどうしたい?(米)
↑ 今の体重をどうしたい?(米)

↑ 今の体重をどうしたい?(米、1990年以降限定)
↑ 今の体重をどうしたい?(米、1990年以降限定)

経年での動向では今世紀に入ってから、やや減量志向者が増えている雰囲気ではある。

他方、1990年以降調査が行われている「真剣に減量に取り組んでいる最中か」との問いには25%しか回答者が居ない。これでも1990年と比べれば7ポイントほど増えてはいるが、「痩せたい」と考えている人の54%と比べれば、半数にも満たないのも事実。「思うこと」と「そのために努力すること」は別物であることを実感させられる(そしてもちろん「努力すること」と「その努力が実を結ぶこと」ともまた別物である)。

これを男女別に見ると、女性の方がはるかに減量意識が強いことが分かる。

↑ 今の体重をどうしたい?(米)(男性)
↑ 今の体重をどうしたい?(米)(男性)

↑ 今の体重をどうしたい?(米)(女性)
↑ 今の体重をどうしたい?(米)(女性)

「維持したい」が減り、「減らしたい」が増えているという点では同じだが、「減らしたい」の意見は女性の方が男性より20ポイントほど高い値が出ている。元々女性は痩せたいとする意欲が強いことに加え、現状の体重において、女性は男性よりも理想体重との格差が大きい(≒肥満傾向が強い)のも一因だろう。

ちなみに上で触れた「真剣に減量中か否か」についても、男女間では大きな違いがある。

↑ 真剣に減量中?(「はい」の人、米、男女別)
↑ 真剣に減量中?(「はい」の人、米、男女別)

直近調査ではやや開きが出ているが、男女間では5ポイント前後の差が出ている。女性に限れば現時点で1/3、最高時で4割近くの人が「今真剣に減量中」と答えている。それだけ女性の方が、ダイエットに真剣な人が多いということになる。

そして「減量中」の人が減らずに、むしろ増えているということは、そのダイエットが上手くいっていないことをも表している(一度減らした体重をそのまま維持するのも「ダイエット」「減量」と呼ぶのなら話は別だが)。減量の難しさを改めて知れるというものだ。



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