
今調査の調査要件は先行記事【一日の平均歩数は男性6793歩・女性5832歩(最新)】を参照のこと。
BMIは肥満度を表す一つの指針で、Body Mass Indexの略称。計算式は簡単で「体重÷身長÷身長」と表せる。BMI値が測定出来た人を肥満(BMI>=25.0)・普通(18.5<=BMI<25.0)・やせの人(BMI<18.5)に区分している。そしてこの区分に従い、調査対象母集団を年齢階層別に「肥満者」「やせの人」、そしてそれ以外の「その他(=BMI値は肥満者とやせの人の間)」に分けたのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(男女別・年齢階層別)(2019年)
全般的に男性の方がオレンジ色部分(肥満者)が多く、女性の方が青色部分(やせの人)が多いのは冒頭で触れた通りだが、
などの動きが把握できる。
特に男性40-60代は3割以上が肥満者判定を受ける状態であり、同階層でやせの人が5%にも満たないのは、少々問題ではある。また女性は20-30代においてやせの人が極めて多く、肥満者の比率を超えている。若年女性層では過度なほどに体格への心配をする人が多いと言われているが、その傾向が数字となって表れているのかもしれない(ただし統計の上で妊婦が除かれているのも一因ではある)。
これらの区分の変移について、いくつかの特徴のある属性を抽出してグラフ化したのが次の図。なお「20歳以上の女性のやせの人の割合」は各年のばらつきを少なくするため、該当年次の値に前後の年次結果を足して3で割る移動平均値を適用している。よって2019年分はまだ存在しない(2020年分が未調査のため)。

↑ 肥満およびやせの人の割合(20歳以上、一部)
年齢とともに増加していく女性の肥満者だが、40-60代の動向を見ると、昔と比べれば減少をしているのが分かる(ここ数年は再び増加しているが)。一方で20-60代男性の肥満者率は上下を繰り返しつつ、中期的には増加の一途をたどっている。
体重が一番気になるであろう、それゆえに過度のダイエットなどで健康を害するリスクもあり、むしろやせ形の人の割合が気になる20代女性における「やせの人」の動向だが、やや起伏はあるものの23%内外で行き来をしていた。この属性の目標値は20%以下(「健康日本21」(第2次))だが、直近の2018年分では単年の値ではあるものの、目標値を超える値を示している。
なお、先行記事「一日の平均歩数は男性6793歩・女性5832歩(最新)」でも解説の通り、「国民健康・栄養調査」では2014年分・2015年発表分から経年変化の一部データで、年齢階層別の人口比によるデータのぶれを考慮し、年齢で大きな差異が生じる経年データでは、年齢調整を行った値を併記している(過去の分も一部だが一緒に掲載されている)。その値を元に、2004年分以降の男女それぞれにおける肥満者・やせの人・その他の人の割合の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(年齢調整後、男性)

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(年齢調整後、女性)
単純な全体平均では上昇傾向があるように見える男性も、実のところ大きな変化は無く、肥満者率の高い中年層以降の人口比率が上昇したことで、全体の肥満者率が上がっていることが分かる(ただしこの数年はわずかずつだが増えているように見える)。むしろ女性のやせの人判定者の比率が、中期的にいくぶんだが増加している感は否めない。
全体としての肥満者率のアップとの事実に変わりは無いが、年齢階層別人口比率の変化によるものとの構図は、例えば貯蓄率の低下などと似ており、物事の本質を推し量る際には留意を払う必要がある。
本文中で「BMIは肥満度を表す一つの指針」と表記した通り、BMI値は肥満の度合いを表す唯一で絶対的な数字ではない。いくつもある肥満判定の、物差しの一つに過ぎない。BMI値は同じでも健康な人もいれば不健康な人もいる。体質次第でBMI値の上は普通でも、実は肥満極まりなく健康上のリスクを背負っている事例もある。
今件はあくまでも肥満の度合いを測るのに一番よく用いられ、一番確からしい値を使ったまでの話。絶対無比では無いことに留意してほしい。もちろんそれと同時に「一番確からしい」からこそ、全体的な肥満の度合い傾向との視点では真実に近いところにある。要は「うのみにするな、だが無視するな」である。
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BMIは肥満度を表す一つの指針で、Body Mass Indexの略称。計算式は簡単で「体重÷身長÷身長」と表せる。BMI値が測定出来た人を肥満(BMI>=25.0)・普通(18.5<=BMI<25.0)・やせの人(BMI<18.5)に区分している。そしてこの区分に従い、調査対象母集団を年齢階層別に「肥満者」「やせの人」、そしてそれ以外の「その他(=BMI値は肥満者とやせの人の間)」に分けたのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(男女別・年齢階層別)(2019年)
全般的に男性の方がオレンジ色部分(肥満者)が多く、女性の方が青色部分(やせの人)が多いのは冒頭で触れた通りだが、
・男性では40-60代が肥満者の多い年齢階層で3割を超える。女性はおおよそ年齢とともに肥満者率が底上げされる。
・男性は40代が肥満者のピーク。4割近くが肥満判定。女性は60代がピークだが、それでも3割に届かない。
・20代のやせの人は男性で6.7%だが女性は3倍以上の20.7%に達している。
・男性は40代が肥満者のピーク。4割近くが肥満判定。女性は60代がピークだが、それでも3割に届かない。
・20代のやせの人は男性で6.7%だが女性は3倍以上の20.7%に達している。
などの動きが把握できる。
特に男性40-60代は3割以上が肥満者判定を受ける状態であり、同階層でやせの人が5%にも満たないのは、少々問題ではある。また女性は20-30代においてやせの人が極めて多く、肥満者の比率を超えている。若年女性層では過度なほどに体格への心配をする人が多いと言われているが、その傾向が数字となって表れているのかもしれない(ただし統計の上で妊婦が除かれているのも一因ではある)。
これらの区分の変移について、いくつかの特徴のある属性を抽出してグラフ化したのが次の図。なお「20歳以上の女性のやせの人の割合」は各年のばらつきを少なくするため、該当年次の値に前後の年次結果を足して3で割る移動平均値を適用している。よって2019年分はまだ存在しない(2020年分が未調査のため)。

↑ 肥満およびやせの人の割合(20歳以上、一部)
年齢とともに増加していく女性の肥満者だが、40-60代の動向を見ると、昔と比べれば減少をしているのが分かる(ここ数年は再び増加しているが)。一方で20-60代男性の肥満者率は上下を繰り返しつつ、中期的には増加の一途をたどっている。
体重が一番気になるであろう、それゆえに過度のダイエットなどで健康を害するリスクもあり、むしろやせ形の人の割合が気になる20代女性における「やせの人」の動向だが、やや起伏はあるものの23%内外で行き来をしていた。この属性の目標値は20%以下(「健康日本21」(第2次))だが、直近の2018年分では単年の値ではあるものの、目標値を超える値を示している。
なお、先行記事「一日の平均歩数は男性6793歩・女性5832歩(最新)」でも解説の通り、「国民健康・栄養調査」では2014年分・2015年発表分から経年変化の一部データで、年齢階層別の人口比によるデータのぶれを考慮し、年齢で大きな差異が生じる経年データでは、年齢調整を行った値を併記している(過去の分も一部だが一緒に掲載されている)。その値を元に、2004年分以降の男女それぞれにおける肥満者・やせの人・その他の人の割合の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(年齢調整後、男性)

↑ 肥満者(BMI≧25)とやせの人(BMI<18.5)、それ以外の人の比率(年齢調整後、女性)
単純な全体平均では上昇傾向があるように見える男性も、実のところ大きな変化は無く、肥満者率の高い中年層以降の人口比率が上昇したことで、全体の肥満者率が上がっていることが分かる(ただしこの数年はわずかずつだが増えているように見える)。むしろ女性のやせの人判定者の比率が、中期的にいくぶんだが増加している感は否めない。
全体としての肥満者率のアップとの事実に変わりは無いが、年齢階層別人口比率の変化によるものとの構図は、例えば貯蓄率の低下などと似ており、物事の本質を推し量る際には留意を払う必要がある。
本文中で「BMIは肥満度を表す一つの指針」と表記した通り、BMI値は肥満の度合いを表す唯一で絶対的な数字ではない。いくつもある肥満判定の、物差しの一つに過ぎない。BMI値は同じでも健康な人もいれば不健康な人もいる。体質次第でBMI値の上は普通でも、実は肥満極まりなく健康上のリスクを背負っている事例もある。
今件はあくまでも肥満の度合いを測るのに一番よく用いられ、一番確からしい値を使ったまでの話。絶対無比では無いことに留意してほしい。もちろんそれと同時に「一番確からしい」からこそ、全体的な肥満の度合い傾向との視点では真実に近いところにある。要は「うのみにするな、だが無視するな」である。
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