
今調査公開データを基に、魚介類・肉類(それぞれ加工品を含む)、そして野菜類、加えて乳類(牛乳、加工乳、乳製品全般、粉乳類、クリーム類、乳酸菌飲料、チーズ類やアイスクリーム類など)の一日あたりの平均摂取量を示したのが次のグラフ。最新値となる2022年分、そしてそれからきっかり10年前の2012年分についてデータを併記する。なお今件では未成年者の値も調査されていることから、「総数」は成人(20歳以上)だけでなく未成年者も合わせた全員の平均値であることに注意が必要。また最高齢層については2012年分と2022年分双方で値を抽出可能な「75歳以上」を用いる。

↑ 肉類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 魚介類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 野菜類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 乳類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)
まず直近2022年の平均値だが、冒頭で語られている世間一般の話の通り、魚介類は57.2グラム・肉類は108.0グラムと、肉類の方が魚介類よりも多い。また年齢階層別では魚介類がおおよそ年を取るに連れて摂取量が増える一方、肉類は15-19歳の摂取量が最大で、あとはおおよそ年齢が上になるに連れて減少していく。75歳以上では魚介類・肉類の立ち位置が逆転し、肉類よりも魚介類の方を多く摂取している計算になる。両食品の特性、普段イメージされている好き嫌いがそのまま数字となって現れており、非常に興味深い。やはり年を取ると肉類は敬遠される傾向にあるようだ。
あるいは個々の「世代」の食生活の日常が、ある程度踏襲されている可能性も否定できない。つまり年齢階層による違いではなく、世代(西暦何年生まれなどの区分)による違いが多分に影響しているのでは、との考えである。それが事実ならば今後、高齢層でも少しずつ肉類の摂取量が増え、魚介類が減り、高齢者でも肉類の摂取量が魚介類以上になる可能性はある。
野菜類は1-6歳時点でこそ少なめなものの、それ以降は40代ぐらいまではおおよそ同量、50代以降はむしろ増加していく傾向がある。健康志向の高まりを受けてのものだろう。そして乳類は1-6歳が多め、7-14歳で最大となり、以降は減少、そして30代以降は再び増加していく。乳幼児は子供向けの粉ミルクなど、未成年では学校給食などにおける牛乳や健康のため保護者から与えられる事例が多いのが主要因だと考えられる。高齢になるに連れて増えるのも、健康志向によるものと考えれば道理は通る。
10年前の2012年当時の値も併記したが、それと直近となる2022年との比較をすると、「魚介類の摂取量が大きく減る」「肉類の摂取量が増える」「野菜類はおおよそ減少」「乳類は若年層から中年層で減少、高齢層で増加」などの動きが確認できる。「食文化の欧米化」との表現はあまりにも陳腐だが、肉食に傾きつつあることは間違いあるまい。また牛乳の全体消費量が減少していることがしばしば話題に上っているが、今データの限りでは若年層から中年層へのアピールが必要なように見える。
10年間の変化を算出した結果が次のグラフ。

↑ 魚介類・肉類・野菜類・乳類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、1日あたり摂取量)(2012年から2022年への変化率)
年齢階層では肉類はすべての層で増え、魚介類はすべての層で減っている。他方変化率では肉類・乳類において高齢層の増加率が大きい結果が出ている。肉類の動きはやや妙に思えるかもしれないが、10年間における「重量の」増加分に大きな違いは無いため、元々摂取量が少なかった高齢者ほど、比率面では大きな値が出る次第。
今件はグラフ・詳しい解説を省略しているが、「国民健康・栄養調査」では他にも果実類・卵類についてもデータを公開している。それによれば両者とも10年前と比べ、重量・率に違いはあれど、多くの年齢階層で摂取量が減っている。健康的な食のバランスを保つためには、偏りなく、多彩な種類の食材を口にしたいものだ。
■関連記事:
【男性シニアの料理、気にするのは「メニュー」「作り方」そして「量」】
【日本の食文化を物語と共に提供・イトーヨーカドーで新食品PB「つくるものがたり」展開開始】
【脳に良い イメージがある 食べ物は お魚野菜に キノコや海そう】
【「お値段2倍でも国産野菜・検査完璧な肉」進む食の安全志向】

↑ 肉類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 魚介類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 野菜類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)

↑ 乳類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、グラム/日)(2012年、2022年)
まず直近2022年の平均値だが、冒頭で語られている世間一般の話の通り、魚介類は57.2グラム・肉類は108.0グラムと、肉類の方が魚介類よりも多い。また年齢階層別では魚介類がおおよそ年を取るに連れて摂取量が増える一方、肉類は15-19歳の摂取量が最大で、あとはおおよそ年齢が上になるに連れて減少していく。75歳以上では魚介類・肉類の立ち位置が逆転し、肉類よりも魚介類の方を多く摂取している計算になる。両食品の特性、普段イメージされている好き嫌いがそのまま数字となって現れており、非常に興味深い。やはり年を取ると肉類は敬遠される傾向にあるようだ。
あるいは個々の「世代」の食生活の日常が、ある程度踏襲されている可能性も否定できない。つまり年齢階層による違いではなく、世代(西暦何年生まれなどの区分)による違いが多分に影響しているのでは、との考えである。それが事実ならば今後、高齢層でも少しずつ肉類の摂取量が増え、魚介類が減り、高齢者でも肉類の摂取量が魚介類以上になる可能性はある。
野菜類は1-6歳時点でこそ少なめなものの、それ以降は40代ぐらいまではおおよそ同量、50代以降はむしろ増加していく傾向がある。健康志向の高まりを受けてのものだろう。そして乳類は1-6歳が多め、7-14歳で最大となり、以降は減少、そして30代以降は再び増加していく。乳幼児は子供向けの粉ミルクなど、未成年では学校給食などにおける牛乳や健康のため保護者から与えられる事例が多いのが主要因だと考えられる。高齢になるに連れて増えるのも、健康志向によるものと考えれば道理は通る。
10年前の2012年当時の値も併記したが、それと直近となる2022年との比較をすると、「魚介類の摂取量が大きく減る」「肉類の摂取量が増える」「野菜類はおおよそ減少」「乳類は若年層から中年層で減少、高齢層で増加」などの動きが確認できる。「食文化の欧米化」との表現はあまりにも陳腐だが、肉食に傾きつつあることは間違いあるまい。また牛乳の全体消費量が減少していることがしばしば話題に上っているが、今データの限りでは若年層から中年層へのアピールが必要なように見える。
10年間の変化を算出した結果が次のグラフ。

↑ 魚介類・肉類・野菜類・乳類の摂取量の平均値(男女計、年齢階層別、1日あたり摂取量)(2012年から2022年への変化率)
年齢階層では肉類はすべての層で増え、魚介類はすべての層で減っている。他方変化率では肉類・乳類において高齢層の増加率が大きい結果が出ている。肉類の動きはやや妙に思えるかもしれないが、10年間における「重量の」増加分に大きな違いは無いため、元々摂取量が少なかった高齢者ほど、比率面では大きな値が出る次第。
今件はグラフ・詳しい解説を省略しているが、「国民健康・栄養調査」では他にも果実類・卵類についてもデータを公開している。それによれば両者とも10年前と比べ、重量・率に違いはあれど、多くの年齢階層で摂取量が減っている。健康的な食のバランスを保つためには、偏りなく、多彩な種類の食材を口にしたいものだ。
■関連記事:
【男性シニアの料理、気にするのは「メニュー」「作り方」そして「量」】
【日本の食文化を物語と共に提供・イトーヨーカドーで新食品PB「つくるものがたり」展開開始】
【脳に良い イメージがある 食べ物は お魚野菜に キノコや海そう】
【「お値段2倍でも国産野菜・検査完璧な肉」進む食の安全志向】
スポンサードリンク