2024-0816先行記事【2100年には7685万人に…国連予想による日本の2100年までの人口推移(最新)】において、国連の公開データを元に日本の人口推移の推定値を確認し、その状況の精査を行った。今回は同じデータを用い、アメリカ合衆国、イギリス、ロシア連邦、さらには世界全体の人口推移予想を確認していくことにする。
参照するデータの抽出元や注意事項は先行記事「国連予想による日本の2100年までの人口推移」にある通り。手法はまったく変わらず、対象国を変えたのみとなる。

最初はアメリカ合衆国。

↑ アメリカ合衆国の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ アメリカ合衆国の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)

↑ アメリカ合衆国の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
↑ アメリカ合衆国の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)

2100年に至るまで、人口は緩やかに、そしてほぼ一定率のまま上昇を継続。高齢化も緩やかなスピードだが確実に進行している。2100年時点での人口は約4.2億人。以前【アメリカ合衆国の人種別出生率の詳細】で解説しているように、アメリカ合衆国でもこの数年の間、急速な合計特殊出産率の低下(いわゆる「先進国病」)が確認でき、人口減少・高齢化の加速懸念が出ている。しかし2年前の予想版(2022年版)と比べると2100年時点の人口予想は2724万人ほど増えている。

続いてイギリス。

↑ イギリスの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ イギリスの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)

↑ イギリスの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
↑ イギリスの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)

イギリスも人口は漸増していくが勢いは緩やかなものとなり、2070-2075年をピークとしてそれ以降はゆるやかに減少する。64歳以下の総人口は微減な一方で、65歳以上の人口が比較的早いペースで増え、結果として高齢化が急速に進んでいく。

次はロシア連邦。

↑ ロシア連邦の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ ロシア連邦の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)

↑ ロシア連邦の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
↑ ロシア連邦の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)

ロシア連邦は日本同様に人口減少のプロセスを歩んでおり、しかも減少スピードはほぼ一定のままで2100年まで推移する。他方高齢者の比率は2055年の25.8%で一度目の高い値をつけ、それ以後はむしろ一時的だが減少する動きすら見せるも、その後再び増加。最大値は2090-2100年の26.6%となる動きは興味深い。

最後に世界全体の動向。

↑ 世界全体の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ 世界全体の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)

↑ 世界全体の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
↑ 世界全体の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)

ロシア連邦や日本など一部先進諸国のように、人口を減らしていく国もあるが、概して新興国は人口増加の過程にあり、2060年ぐらいまでは急激なスピードで世界人口は増加していく。2060年あたりから64歳以下の人口増加が足踏み状態となり、2070年をピークとしてそれ以降は漸減していく。総人口のピークは2085年で、それ以降は漸減する。

そして記事タイトルにもある通り、2065年には世界の総人口は100億人を突破する、との推定が出ている。



今件データはあくまでも予想・推定の域を出ていない。上記アメリカ合衆国の事例にある通り、人口変動要素に変化があれば、予想年数が先に行くほど数字はぶれていく。あくまでも指針の一つ程度として見ておいた方が無難である。

見方を変えれば、特段変化が無ければ、これらの値が現実のものとなる可能性は高いともいえる。各国の今後を占う上で、無視できない数字といえよう。


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