人口はその国の国力を示す指標の一つであり、その現状や今後の推移を見極める上で、欠かせない値に違いない。そこで今回は国連の公開データを元に、アジア地域の人口面で注目すべき国として中国・インド・インドネシアの3か国にスポットライトを当て、西暦2100年までの人口推定値に関して、日本でよく行われている3世代区分と同様の区分を行い、その値をグラフ化し、状況の精査を行うことにした。
今回抽出、精査するデータは国連の公式サイト内の【World Population Prospects 2024(世界人口の見通し2024年改訂版)】(国連事務局経済社会局の人口部局による、人口統計学的な推計によるデータ)。このページから【データベース中のダウンロードページ】へアクセスし、公開値一覧から中国、インド、インドネシアの人口推定値を取得。2024年から2100年までの(推定)人口値に関して、3年齢階層区分(14歳以下、15-64歳、65歳以上)に区分し、さらに精査がし易いよう2024年と、2025年以降は5年単位で整理を行い、グラフ化・精査を行う。
まずは中国。
↑ 中国の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ 中国の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
どこまでも人口が増え続けるイメージがある中国だが、今件の限りでは2024年がピーク。以後は高齢者数を大幅に上乗せ、若年者数を減らしながら、人口全体も減っていく。高齢者数の増加は2060年で止まるが、若年層の減り方は一層大きく、高齢者「比率」はさらに増加し、2085年の47.7%をピークとする状況に。高齢化への歩みは日本より加速度が大きい感はあり、最終的に落ち着く高齢者の比率(45-47%台)そのものも日本(約38%)より上回っている。
続いてインド。
↑ インドの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ インドの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
資料発表時点での世界最大人口の国は中国。しかしその中国は上記にある通り2024年で増加は頭打ち。一方、インドは2060年まで増加を継続しており、2024年の時点でインドが人口のトップに立つことになる。インドにおけるピーク時の推定人口は17億95万人。
インドでは2024年時点で14歳以下が24.6%もいるのが特徴的。高齢化も一様に進んでいくが、スタート地点での余裕が大きく、高齢者人口比率が2割を超えるのは2065年に入ってからとなる。
最後にインドネシア。モバイル系のデジタル技術が加速化を続け、人口も日本の約2倍を誇る、今後色々な意味で注目を集めている国の一つである。
↑ インドネシアの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ インドネシアの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
人口数の桁数こそ違えど、増加傾向や高齢化の動向などの観点では、インドとさほど変わらない。両国とも新興国的なスタイルを持ち、これからさらなる成長が望める国であることの証ともいえる。インドと比べてやや14歳以下の比率が高い、高齢層の比率が低いものの、高齢化の歩みも緩やか。2100年時点でも人口2億9551万人と3億人近く。
おおよそ今回紹介した新興国も、そしてその他の新興国、さらには先進国も2060年前後がターニングポイントとなっている(中国はもっと早いが)。
その時点で各国の枠組みに変わりがなければ、との前提だが(かつてのソ連邦のように、国そのものの体制・構成に変化が生じる可能性はゼロとは言えない。冷戦終結前に、東西ドイツの統一や、ソ連邦の解体とロシア連邦などの形成を、誰が予想できただろうか)、各国の国際場面における立ち位置も、随分と変化しているに違いない。
人口数そのものや構成比率は、その国の国力の源となり、それは同時に国際的な発言力の大きな要因になるからである。
■関連記事:
【20年あまりにわたる携帯電話普及率推移(新興国編)(最新)】
【アジア主要国のインターネット普及率など(最新)】
【政府支出総額と人口比率…主要国軍事費の推移を別の視点から(最新)】
まずは中国。
↑ 中国の年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ 中国の年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
どこまでも人口が増え続けるイメージがある中国だが、今件の限りでは2024年がピーク。以後は高齢者数を大幅に上乗せ、若年者数を減らしながら、人口全体も減っていく。高齢者数の増加は2060年で止まるが、若年層の減り方は一層大きく、高齢者「比率」はさらに増加し、2085年の47.7%をピークとする状況に。高齢化への歩みは日本より加速度が大きい感はあり、最終的に落ち着く高齢者の比率(45-47%台)そのものも日本(約38%)より上回っている。
続いてインド。
↑ インドの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ インドの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
資料発表時点での世界最大人口の国は中国。しかしその中国は上記にある通り2024年で増加は頭打ち。一方、インドは2060年まで増加を継続しており、2024年の時点でインドが人口のトップに立つことになる。インドにおけるピーク時の推定人口は17億95万人。
インドでは2024年時点で14歳以下が24.6%もいるのが特徴的。高齢化も一様に進んでいくが、スタート地点での余裕が大きく、高齢者人口比率が2割を超えるのは2065年に入ってからとなる。
最後にインドネシア。モバイル系のデジタル技術が加速化を続け、人口も日本の約2倍を誇る、今後色々な意味で注目を集めている国の一つである。
↑ インドネシアの年齢階層別人口数推定(万人)(World Population Prospects 2024より)
↑ インドネシアの年齢階層別人口比率推定(World Population Prospects 2024より)
人口数の桁数こそ違えど、増加傾向や高齢化の動向などの観点では、インドとさほど変わらない。両国とも新興国的なスタイルを持ち、これからさらなる成長が望める国であることの証ともいえる。インドと比べてやや14歳以下の比率が高い、高齢層の比率が低いものの、高齢化の歩みも緩やか。2100年時点でも人口2億9551万人と3億人近く。
おおよそ今回紹介した新興国も、そしてその他の新興国、さらには先進国も2060年前後がターニングポイントとなっている(中国はもっと早いが)。
その時点で各国の枠組みに変わりがなければ、との前提だが(かつてのソ連邦のように、国そのものの体制・構成に変化が生じる可能性はゼロとは言えない。冷戦終結前に、東西ドイツの統一や、ソ連邦の解体とロシア連邦などの形成を、誰が予想できただろうか)、各国の国際場面における立ち位置も、随分と変化しているに違いない。
人口数そのものや構成比率は、その国の国力の源となり、それは同時に国際的な発言力の大きな要因になるからである。
■関連記事:
【20年あまりにわたる携帯電話普及率推移(新興国編)(最新)】
【アジア主要国のインターネット普及率など(最新)】
【政府支出総額と人口比率…主要国軍事費の推移を別の視点から(最新)】
スポンサードリンク