学校給食アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2013年3月12日、アメリカにおける学校給食をはじめとする「子供の学校内での食事への規制(学校給食法、The National School Lunch Act)」などに関する調査結果結果を発表した。それによると大人の約2/3は学校内の給食や販売食品に対し、肥満防止のために厳密な制限が加えられていることに対し、賛意を示していることが分かった。昨今の自販機に対する強化規制ではやや反対派が増えるが、やはり全体としては賛意を示す人が過半数を示している(【発表リリースAmericans Favor Limiting Sale of Unhealthy Food in Schools」】)。



今調査は2013年3月8日-9日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の成人に対し乱数で選択された電話番号に対する電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は1016人。国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。

アメリカでは学校給食法(連邦法)などにより、公私立をとわず初等・中等学校で有料の給食が実施されているが(スタイルはセルフサービス方式)、保護者の所得により免除される制度も設けられている。また給食を用いず弁当を持参したり、学校内の自動販売機や売店を利用することもできる。【アメリカの肥満状況】などでも記した通り、特に今世紀に入ってから子供の肥満が問題視されるようになり、昨今では給食の内容や校内売店・自販機に関する規制が強化されるようになった。一方で規制強化に対し、【「不健康なのでピーナツバター禁止」→生徒が「腹減った動画」作成で反発→100万回以上再生の大反響→規定一部改正】のように子供から反発が起きているのも事実ではある。

これら学校内での食事(摂取栄養)制限に関し、大人たち、とりわけ学校に自分の子供達を通わせている保護者はどのような考えを持っているのかを尋ねたのが、今回のギャラップの調査。まずは給食、あるいは校内売店での食品に関する全般的な制限に関してだが、大人全体では2/3が賛意を示している。反対は3割程度と、賛意の半分以下でしかない。

↑ 学校内で提供される給食や学校内で販売されている食品に関して、肥満防止のために厳密な制限を加えることに対して
↑ 学校内で提供される給食や学校内で販売されている食品に関して、肥満防止のために厳密な制限を加えることに対して

子供を学校に通わせている保護者に限ると、公立学校では75%と高め、私立学校では64%とやや低めになる。

アメリカ農務省は2010年に【「Healthy、Hunger-Free Kids Act of 2010」(健康で飢えない子供達のための法律)】を提起。この規制の内容(いわゆるレギュレーション)に関しては今年の4月上旬まで意見受付が行われており、最終段階にある。これは子供達に果物や野菜、全粒粉の食品を積極的に摂取させる一方、塩分や脂肪分の量を減らしたり、年齢に応じた熱量制限を加える内容となっている。また学校内で運用されている自動販売機も規制対象となる(同時に金銭面の問題などで給食が利用できない子供にも、救いの手を差し伸べる体制を設ける)。

それ以前より厳しい制限が加えられたこの連邦法については、大人全体では57%、公立学校に就学している子供を持つ親では50%が賛意を示している。

↑ 学校給食や学校内の自販機で販売されるスナックバーやケーキに関して、肥満防止のために厳密な制限を加えるという新連邦法について
↑ 学校給食や学校内の自販機で販売されるスナックバーやケーキに関して、肥満防止のために厳密な制限を加えるという新連邦法について

既存の規制よりも厳しい内容だったため、反発もやや大きなものとなっているが、全体的にはやはり賛成派が過半数・多数を占めている。保護者自身も多分に肥満の懸念がある以上、子供にも同様の心配をし、その心配の解消に役立つ決まりならば、賛成する人が多いのも当然といえる。

一方で反対意見を述べる人も少なからずいる、特に昨今の「Healthy、Hunger-Free Kids Act」に関して反発が強いのも事実。これは本人の自由意思を多分に尊重する、アメリカならではの傾向なのかもしれない。




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