
減る歯ブラシ、増える電動歯ブラシと糸ようじ
一連の調査のうち最新のものについては、2013年5月24日から29日に渡り、インターネット経由で行われたもので、対象となるのは10代から60代の男女。有効回答数は1200人で男女比及び世代構成比(10歳区切り)は均等割り当て。
歯をみがくときに使う道具に関して、最新の2013年分の調査結果は、以前別記事でも記した通り。

↑ 歯をみがくときに使っているもの(複数回答、1日1回以上歯をみがく人限定)(再録)
この「歯をみがくときに使う道具」の上位陣に関して、経年変化でまとめたのが次のグラフ。圧倒的に歯ブラシが使われていることに違いはないが、毎年少しずつ、だが確実に利用者が減っている。

↑ 歯をみがく時に使用しているもの(複数回答、歯をみがく人限定)
「歯をみがかなくなったのか?」というわけでは無い。タイミングを同じくして「電動歯ブラシ」が増加していることから、電動歯ブラシの使い勝手の良さを受け、少しずつ普通の歯ブラシから乗り換える人が増えていると考えられる。もっとも両者を足すと100%を超えるため、両方を使い分ける事例も多少はあるようだ。
また同じタイミングで「デンタルブロス・糸ようじ」も増えている。(電動)歯ブラシで歯をみがき、その後糸ようじで仕上げをする。歯に対するメンテナンス意識は高まりを見せている。
一方、「歯磨き粉(ペースト)」は減少し続けている。これは電動歯ブラシの利用に伴い、ブラッシングのスタイルを変え、歯磨き粉を使わなくなった人が増えているものと考えられる。決して、歯の衛生への関心度が落ちたわけではない。
男女で異なる点、変わらない点
歯みがきの道具の利用変遷について、男女別に見たのが次のグラフ。大勢では変わりないものの、よくチェックすると微妙な違いが見えてくる。

↑ 歯をみがく時に使用しているもの(複数回答、歯をみがく人限定)(男性)

↑ 歯をみがく時に使用しているもの(複数回答、歯をみがく人限定)(女性)
まず男性。電動歯ブラシの利用率向上が著しい。同時に歯磨き粉の利用率も急激に下がっており、通常の歯ブラシからの乗り換え組が多いことが示唆される。また糸ようじも直近では利用率が1割に近づいている。
他方女性となると、色々と動きが違ってくる。まず通常の歯ブラシの利用率に変化がない。電動歯ブラシの利用率が漸増していることから、今後低下していくのだろうが、男性と比べて動きが鈍いのが気になる。しかしながら、元々歯ブラシの利用率が高いこともあり(就業女性の場合でも、会社に歯ブラシを持参しているのだろう)、案外このまま高値を維持し続ける可能性はある。
歯ブラシの利用率は高いままだが、歯磨き粉の利用率は漸減。ただし男性と比べて低下の勢いはゆっくりとしている。
意外に元々女性の方が高利用率を示していた糸ようじだが、これは経年の変化がない。電動歯ブラシで気軽に細かな部分まで掃除できることもあり、「細かなところまでのクリーニング」という新たな需要を受ける相手が、糸ようじから電動歯ブラシに移っているのかもしれない。
電動歯ブラシが今後もゆっくりと、しかし確実に普及率を高めていくことは間違いない。一方で通常の歯ブラシの需要は落ちつつあるが、気軽さなどの点から、ゼロになることもなく、一定数は確保するものと考えられる。
歯ブラシ、歯磨き粉、糸ようじ、そして電動歯ブラシ。これらの歯のメンテナンスツールが今後どこまで利用され続けるのか、特に電動歯ブラシの普及動向に注目していきたいところだ。
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