
夏に身体的疲れを感じる人は89%、職場での最大原因は「仕事内容」
今調査は20代から50代の就業者に対して携帯電話を用いたインターネット経由で、2013年6月27日から7月1日にかけて行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1、世代構成比は20代・30代・40代・50代で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
夏は高気温や湿度の高さで体への負荷が大きくなり、必然的に体力が消耗することになる。それに合わせて精神的にも消耗を覚える機会も増える。就業者ならば外回りや屋外での作業において、その負担はより大きなものとなる。そこで全般的に「夏に心身の疲れを感じるか」について聞いたところ、89.0%の人が身体の疲れを感じると回答した。

↑ 夏に心身の疲れを感じるか
身体と心の疲れ、特に夏の疲れは一体化している部分が多く、双方とも疲れを覚える人は3/4に届いている。身体だけ、心だけが疲れている人は少数派。
今件では特に「身体の疲れ」にスポットライトを当てており、その疲れについて就業者ならではの、つまり職場や就労関係での原因を尋ねている。夏の疲れの原因を仕事周りに求めると、どのような事象・状態が思い当たるだろうか。

↑ 夏に感じる身体の疲れについて、職場や就労関係での原因(複数回答、身体の疲れを感じる人限定)
もっとも高い回答率を示したのは「仕事内容」で58.5%。具体的内容までは記載されていないが、冒頭で記した屋外作業の仕事や、営業回りで外に出る必要がある場合、夏の過酷な環境下に長時間さらされることとなり、必然的に疲れが蓄積されてしまう。続く「長時間労働」と「仕事量」も「仕事内容」と類似連動しており、外気に触れているだけでも体力を消耗してしまう中での仕事が、「夏に感じる身体の疲れ」の原因であることを、多くの人が自認している。
一方、「エアコンの設定温度」が夏の身体的な疲れに影響しているとの回答も1/4近くに達している。日差しが照りつける暑い中での就労が「夏の疲れ」の起因となるのなら、その環境から逃れられるエアコンのある状態でなぜ疲れるのか、と疑問視する人もいるだろう。これは厳密には「夏にエアコンを効かせすぎて、かえって冷えてしまって身体に負担となる」「外気との温度差が激しすぎて身体の切り替えが追い付かない」などを意味し、他の項目とはやや性質を異にするものと考えて良い。
男女で同じ、異なる「夏の職場での身体疲労原因」
これを男女別に再計算したのが次のグラフ。

↑ 夏に感じる身体の疲れについて、職場や就労関係での原因(複数回答、身体の疲れを感じる人限定)(男女別)
大まかなところでは男女差はさほど無いように見えるが、男性は「休日出勤」「屋外就労環境」「外回り営業」のような、外に出る機会(の増加)に対し疲れを覚える人が多い。それだけ男性の方が、その機会そのものが多いと考えることも出来る。
一方で女性は上記の通り、「エアコンの設定温度」で大きな身体上の負荷を覚えているのが分かる。就業女性の1/3強は「エアコンの設定温度がきつくて、身体に負荷を覚え、疲れを感じてしまう」と答えている。
【エアコンの設定温度、男女差は大体何度?(2009年7月)】でも解説しているが、男女間で適正と認識しているエアコンの設定温度には数度の差がある。そして仕事場においては、外回りが多く、概して人数そのものも多い男性の望む温度設定が行われてしまう。そのため、女性は多々就業室内で肌寒さを覚え、身体への負担を感じてしまうことになる。
女性にとってエアコンの設定温度のキツさは、それこそ「長時間労働」と同じ位に身体にこたえるという。この実態は女性自身はもちろんだが男性も、知っておいて損は無い。
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