
ソーシャル疲れは4割近く
今調査の調査方法や調査対象母集団の構成については先行記事【夏に身体の疲れを覚える就労者9割、女性が男性の2倍以上負担に思う「疲れの原因」とは?】を参考のこと。
携帯電話、中でもスマートフォンの普及に伴い急速に利用率を高めつつあるソーシャルメディア。それと共に、利用のし過ぎや利用過程で生じるさまざまなトラブル・あつれきで心身的な疲れ、いわゆる「ソーシャル疲れ」を覚える人も増えている。かつて日本ではソーシャルメディア≒mixiということもあり「mixi疲れ」という言葉が流行ったが、今では「ソーシャル疲れ」の方が表現としては正確だろう。
そこで息抜きとしてソーシャルメディアを多分に利用しているであろう就業者から成る今調査対象母集団に、「ソーシャル疲れ」を感じているか否かを聞いたところ、全体では39.7%が「感じている」と回答した。

↑ 「ソーシャル疲れ」をどの程度感じているか
今調査ではソーシャルメディア利用の是非を尋ねておらず、「全く感じない」の中には「そもそも利用していない」も含まれると考えられる(もっとも回答ツールが携帯電話なので、その比率はごく少数だろう)。それを考慮しても4割近くが何らかの形で「ソーシャル疲れ」を実体験している。そのうち1割近くは強い疲れである。
男女別では強度の疲れを覚える人の割合も含め、女性の方が疲労体感者が多い。多数の調査でソーシャルメディア利用率、没頭度共に男性よりも女性の方が高い結果が出ている実態を思い返せば、疲労者率も高くなるのも道理が通る。
男性より女性、若年より中堅以上がより大きな疲れ
これを性別・世代別に区分して再集計したのが次のグラフ。

↑ 「ソーシャル疲れ」をどの程度感じているか(男女・世代区分)
上記グラフで性別全体として表したように、各世代とも男性より女性率の方が「ソーシャル疲れ」を覚える人が多い。その上男性では一部イレギュラーな動きを示すが、それをのぞけば概して歳を経るほど疲れ実感者の比率も上昇していく。50代女性となると5割以上が疲れを覚え、そのうち14.4%は強度の疲労感であると回答している。
ソーシャルメディアの利用は操作や仕組みを理解し、慣れてしまうと非常に楽しく、時間を浪費してしまうもの。一方でデジタルメディアならではのトラブルや弊害などにも接する機会が増えてくる。さらには単純に、長時間利用による心身的な疲れ(睡眠不足や目、指などの疲れが良い例)も起きてくる。
デジタル世界に元々不慣れだったことで生じるあつれきに加え、特に身体的な疲れの回復が遅くなる歳上の人ほど、疲れを強く感じてしまう可能性は高い。今件ではその結果が出ているのだろう。
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