米国の民間調査機関【ギャラップ社】では2013年8月6日に同社公式サイトにおいて、同国でのファストフードと食生活に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団では、ファストフードが「健康に良い」と考えている人は、全体で2割台に留まっていることが分かった。ファストフードの利用頻度別に見ると、高頻度利用者の方が「健康に良い」と考えている人の割合が高い結果が出ている(【発表リリース:Fast Food Still Major Part of U.S. Diet】)。



今調査の詳しい調査要件は先行記事【週一以上の利用は5割近く…米国のファストフード好き具合】を参考のこと。

その記事でも解説したように、米国では多用されているファストフードについて、「健康に良いものだ」と考えている人は2割程度でしかない。8割近くは「良くないもの」と考えている。


↑ ファストフード店の料理は自分(の健康)にとって良いものか否か(アメリカ)(再録)

「健康に良くない」ものを一定以上の頻度で利用するのには、多様な理由がある。今調査ではその観点での調査項目は無いが、時間の節約、手間を省くため、低価格だから、そして自分の味覚に合うからなどが考えられる(健康的な食生活への願望と、自分の味覚を充足させる想いは別物)。

それでは「ファストフードは健康に良くない」とする考えと、そのファストフードの利用頻度との間には、どのような関係があるだろうか。


↑ ファストフード店の料理は自分(の健康)にとって良いものか否か(アメリカ)(利用頻度別)

利用頻度が高いから健康的だと思うのか、健康的だと思っているから利用頻度が高いのか。どちらが原因でどちらが結果なのかまでは今調査だけでは分からないが、ともかく利用頻度が高い人ほど、ファストフードを健康的なものだと思っている人は多い。

……とはいえ、週一以上の利用者ですら、「健康派」は25%、1/4でしかない。逆にほとんど使わない人は15%、1/7程度にまで低下する。さらにこの層では「まったくもって健康に悪い」とする強い否定派は43%となり、週一以上の利用と比べて2倍以上に達している。この強い拒絶感が、ファストフードの利用をさまたげているのだろう。

リリースでは「アメリカではファストフードの利用率は高い一方で、健康への懸念も大きい。週一以上の利用者ですら、3/4は懸念を抱いている。しかしそれでも利用してしまうのは、低コストや味、そして便宜性という長所が原因。これらは健康志向ですら上回る魅力なので、多用してしまう」と解説している。ほぼ同じ理由は、日本でも当てはまりそうな気がしてならない。