ライフメディアのリサーチバンクは2013年8月28日付で、震災対策に関する調査結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団では、大きな地震に備えて水・食料などを備蓄している人は約4割に達していることが分かった。それらの人の備蓄量としては平均で3.4日分となり、男女の回答別で特に大きな違いは見られなかった。一方、その備蓄飲食料品の管理方法としては、「定期的に一度に入れ替え」と「日々消費しながら随時補充」のスタイルが約4割ずつを占めていたが、特に管理をせずに用意したままの状態で放置している人も2割近く確認できる(【発表リリース:震災対策に関する調査】)。



水・食料の備蓄者は4割、備蓄量は3.4日分


今調査は2013年8月16日から21日に渡りインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比は1対1、世代構成比は10代から60代まで10歳区切りで均等割り当て。

先の東日本大地震・震災のように大きな地震が発生すると、ライフラインの途絶・混乱で、日常生活ではごく普通に調達できた品々の入手が困難になる場面に遭遇する。そのため、地震をはじめとする災害に備えるべく(昨今では新型インフルエンザ対策としても推奨されていた)水や食料品の備蓄が勧められている。今調査対象母集団では40.1%の人が、大きな地震に備え、水や食料を備蓄していると答えている。意外に少なめなのは、費用や保存スペースの問題がクリアできないからだろう。

それではその人たちは、一体何日分の水・食料を備蓄しているのだろうか。全体では4割近くの人が3日分を備えていると回答した。


↑ 家庭で備蓄している水や食料は何日分か(備蓄している人限定)

災害対策用の備蓄品としては、持ち出し可能な分として3日分、その他の備蓄品として4日分、合わせて7日分が推奨されている(約一週間でライフラインなどが暫定的に回復するという目安)。今調査結果では、1日分のみの人は1割、2日分は2割強。見方を変えれば、少なくとも2/3の人は3日以上の飲食料品を備蓄している計算になる。また概算平均値を算出したところ、約3.4日分という結果が出ている。

備蓄している人そのものが4割のみというのはやや不安な値で、それらの人においても、今一つ量が足りない感はある。「7日」という目安をほぼクリアしているのは、備蓄者の中でも1割強でしかない。

備蓄飲食品の管理は?


使わないのならそれに越したことはない、地震対策の一環としての備蓄飲食品。しかしそれらには賞味期限があるため、そのまま放置しておくと、「いざ」という時に口に出来ない状態になっている可能性がある。それではこの備蓄品に関して、主にどのような管理をしているのだろうか。

全体を定期的に入れ替える「一斉入れ替え」方式、一部を機会に合わせて(古いものから)消費して新しいものと入れ替える「ところてん式」、特に何もせずに放置の3選択肢を用意し、主にどのような手法を用いているかを聞いた結果が次のグラフ。


↑ 家庭で備蓄している水や食料は主にどのように管理しているか(備蓄している人限定)

例えば防災の日に合わせる形で、定期的に入れ替えをする人は4割。この「一斉入れ替え」方式は逐次のチェックが要らないので、面倒が無くて良い。ただし備蓄量が増えてくると、入れ替え直後に古い備蓄品の処理に頭を抱えることになる。3人家族で7日分の飲食品を備蓄していた場合、突然21食分の水と食料(しかも多分に保存性の高い特性を持つ、種類が限られたもの)の消費が求められるからだ。

一方、日々消費しながら随時補充する人もほぼ同数の4割強。こちらはいわゆる「ところてん式」(逐次新しいのを補充し、押し出される形となった古いものを消費する)で、「一斉入れ替え」と比べると手間暇はかかる。大量の備蓄品を前に、賞味期限などを逐次チェックしていかねばならないからだ。とはいえ、一度に大量の備蓄品の消費を求められることは無く、備蓄品も常に一定の新鮮さを維持できるので、可能ならばこちらの方式をお勧めしたい。

「特に何もしない」、つまり一度飲食品の備蓄をしたが、その後管理はせずに放置したままの人も16.4%いる。備えたことで安心してしまうというタイプだが、気持ちは分かるものの、いざという時に使いものにならないのでは意味がない。せめて交換タイミングを忘れにくく、手間も少なめで済む「一斉入れ替え」方式での入れ替えをしてほしいものだ。


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