内閣府は2013年9月12日付で、介護ロボットに関する特別世論調査の結果を公開した。その内容によると介護を支援補助する「介護ロボット」について、介護をする側の立場からロボットを使いたい人は6割、介護を受ける側からは6割強の賛意が得られていることが分かった。利用を拒む意見は3割強に留まっている(【内閣府:特別世論調査一覧ページ】)。



今調査は2013年8月1日から11日にかけて、調査員による個別面接聴取式によって、全国20歳以上の日本国籍を有する者に対して行われたもの。有効回答数は1842人。

高齢社会化に伴い増加する介護需要に対応するため、多方面で開発、実働している介護ロボット。現状では介護行動の一部を支援・補助する「支援ロボット」の類が多いが、最近では既存の他技術を活用し、衰えた機能を補助しながら身体機能を使い続けてもらい、老化進行を緩慢化する狙いを併せ持ったものも登場している。




↑ トヨタの医療・介護用パートナーロボット。身体能力が衰えた人をサポートするという観点で、医療と介護の接点は多い。:福祉機器展12…医療・介護用パートナーロホット

現状においても介護ロボットへの期待は大きい。各メリットのうち、特に介護する側の負担減、介護を受ける側の気遣いを減らせることなどが期待されている。


↑ 介護ロボットの魅力点(複数回答)(再録)

そこで回答者が介護をする側・受ける側それぞれの立場についた時、介護ロボットを使いたいか否かを聞いた結果が次のグラフ。


↑ 介護ロボットの利用意向(介護する際・受ける際)

する側・受ける側どちらにしても、利用したい意向が過半数に達している。特に受ける側は強い利用意向が1/3を超えており、介護される立場としてロボットの支援を受けたい気勢が強いことがうかがえる。介護をする側に対する気遣いの問題や、自律的な行動が期待できる点がポイントなのだろう。

利用したくない派は2割から3割程度。双方とも強い拒否派は14%台で、「どちらかといえば」的な意見の人が介護を受ける側では少なめになっているのがわかる。

価格や操作性、メンテナンスのしやすさ、そしてなによりも実用性の高さなど、介護ロボットの普及において超えねばならないハードルは多く、そして高い(価格や操作しやすさという観点では、自動清掃ロボットの普及動向が一つのサンプルになる)。開発に従事している企業としては、需要が十分にあることを認識した上で、その需要におけるハードルをクリアすべく努力を重ねてほしいものだ。


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