内閣府は2013年9月12日に、介護ロボットに関する特別世論調査の結果を同公式サイト上で公開した。その内容によれば介護を支援補助する「介護ロボット」について、仮に入手する場合に重視する点としてもっとも多くの人が挙げたのは「操作が簡単であること」だった。3/4近くの人が同意を示している。次いで「価格が安い」「安全認証の取得」が続いている(【内閣府:特別世論調査一覧ページ】)。
今調査は2013年8月1日から11日にかけて、調査員による個別面接聴取式により、全国20歳以上の日本国籍を有する者に対して行われたもの。有効回答数は1842人。
高齢化社会における介護需要の増加を受け、各方面で介護を補助支援する「介護ロボット」の開発が進み、市場に登場している。身体能力が衰えた人へのサポートとの観点から、医療用機器の技術・蓄積を活かしたものも少なくない。
先行する別記事で解説した通り、介護をする側・受ける側になった際、それぞれ6割以上の人が「介護ロボットを使いたい」との意思を有している。
↑ 介護ロボットの利用意向(介護する際・受ける際)(再録)
それでは具体的に介護ロボットを取得する場面になった場合、どのような点を重視したいと考えているのだろうか。もっとも多くの人が望むポイントは「操作が簡単」で、74.4%の人が同意を示した。
↑ 介護ロボットを選ぶ際の重視点(複数回答)
介護ロボットを用いるとなると、介護の用途にもよるが、得てして毎日、日常茶飯事的に使うものとなる。実働までに時間がかかったり、毎回説明書を紐解きながら操作しなければならないのでは、実用的では無い。使用頻度の高さの観点では、テレビや冷蔵庫、電子レンジと同じような家電製品レベルの操作性が求められているのだろう。
続く高回答率項目は「価格が安い」。現在市場に出回っている身体機能補助型の介護ロボットの大部分は、いわゆるレンタル式のもの。そのレンタル料金も決して安いものでは無い。しかも万能機器ではないため、複数の利用が必要になる場合もあり、金銭的負担は積み上げられることになる。心身的な負担が減っても、金銭的な負担が増えたのでは、元の木阿弥でしかない。第四位の「介護保険給付の対象」も金銭面の観点では類似回答と見て良い。
第三位には「安全承認の取得」がついているというもの。要は国レベル、国際的なレベルで「安全ですよ」とのお墨付きがあるか否かを示している。産業向けロボットと違い、人が直接操作して身につける場面が多い介護ロボットでは、安全性訴求度も高い。操作性や価格よりは回答率が低いものの、重要視されていることに違いは無い。
以下、保険制度の実装やメンテナンスの簡便さ、適切なサイズ、公的機関からの推奨などが続くが、上記で触れたように家電製品を選択する際の傾向に近しい雰囲気がある。それと共に身体能力に劣る人が実装することもあり、安全面での懸念を払しょくできる点も強く求められているのが分かる。
コストにしても操作性にしても、開発提供する側から見れば、実績を積み上げ量産化を果たすことで、より好条件のものを送り出すことが可能となる。今後さらに需要が加速化するに連れ、提供側による競争も激化していき、需要側の希望に合うロボットが登場するようになるだろう。
■関連記事:
【介護の際に自治体のサービスを利用した人は3割強・保険制度活用も3割近く】
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先行する別記事で解説した通り、介護をする側・受ける側になった際、それぞれ6割以上の人が「介護ロボットを使いたい」との意思を有している。
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介護ロボットを用いるとなると、介護の用途にもよるが、得てして毎日、日常茶飯事的に使うものとなる。実働までに時間がかかったり、毎回説明書を紐解きながら操作しなければならないのでは、実用的では無い。使用頻度の高さの観点では、テレビや冷蔵庫、電子レンジと同じような家電製品レベルの操作性が求められているのだろう。
続く高回答率項目は「価格が安い」。現在市場に出回っている身体機能補助型の介護ロボットの大部分は、いわゆるレンタル式のもの。そのレンタル料金も決して安いものでは無い。しかも万能機器ではないため、複数の利用が必要になる場合もあり、金銭的負担は積み上げられることになる。心身的な負担が減っても、金銭的な負担が増えたのでは、元の木阿弥でしかない。第四位の「介護保険給付の対象」も金銭面の観点では類似回答と見て良い。
第三位には「安全承認の取得」がついているというもの。要は国レベル、国際的なレベルで「安全ですよ」とのお墨付きがあるか否かを示している。産業向けロボットと違い、人が直接操作して身につける場面が多い介護ロボットでは、安全性訴求度も高い。操作性や価格よりは回答率が低いものの、重要視されていることに違いは無い。
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コストにしても操作性にしても、開発提供する側から見れば、実績を積み上げ量産化を果たすことで、より好条件のものを送り出すことが可能となる。今後さらに需要が加速化するに連れ、提供側による競争も激化していき、需要側の希望に合うロボットが登場するようになるだろう。
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