LIXILは2013年10月23日に「自宅における冬の寒さ対策と窓に関する意識調査」の結果を公開した。それによると首都圏在住の主婦から成る調査対象母集団では、8割以上の人が寒さ対策として室内で靴下を履くことが分かった。11月中までには6割、12月までには3/4が履いている。住宅タイプ別ではマンションよりも一戸建てに住む人の方が、靴下実装が早い傾向が見受けられる(【発表リリース:自宅における冬の寒さ対策と窓に関する意識調査-首都圏の主婦を対象に意識調査を実施-】)。



寒さ対策の靴下装着、8割以上


今調査の調査要項は先行記事【寒さに備えて何してる? 一番人気はこたつじゃなくて…】を参考のこと。

防寒対策の一つとして、足元からの冷えを予防するための「室内靴下」という手法がある。「家の中で靴下を履くのは行儀が悪い」、夏場は特に「足が蒸れて水虫の起因となる」などの指摘もあるが、一方で「足冷えを防ぐ有効な手立て」「地震など万一の時に足を守る役割を果たす」「夏はともかく冬ならば蒸れを気にする必要はない」などの利点・指摘から、冬場に室内で靴下を履くことは悪い事では無く、むしろ生活の知恵として奨励される。

今件調査でも寒さ対策として靴下を履く人は80.2%。寒さ対策には履かない人は7.3%に留まっている。一方で寒さ対策にこだわらず、年中室内で靴下を着用している人も12.5%確認できる。

↑ 寒さ対策として室内で靴下を履くか、履く場合はいつごろからか
↑ 寒さ対策として室内で靴下を履くか、履く場合はいつごろからか

10月の時点ですでに「寒さ対策」で靴下を実装する人はすでに1/3、11月に入ると実に6割に達する。年末までにはほとんどの人が履き終わり、1月以降になってはじめて靴下を履く人はむしろ少数派となっている。

靴下装着、マンションと一戸建てはどちらが先か


次のグラフは防寒対策としての靴下着用の時期を、住宅タイプ別に区分して集計した結果。住宅の特性が見える結果が出ている。

↑ 寒さ対策として室内で靴下を履くか、履く場合はいつごろからか(住宅種類別)
↑ 寒さ対策として室内で靴下を履くか、履く場合はいつごろからか(住宅種類別)

10月の時点で靴下を履く人はマンションが29.2%なのに対し、一戸建てはすでに38.1%と4割近く。11月に入るとそれぞれ累計で75.7%・一戸建て76.9%とほとんど差は無くなるが、まだ一戸建ての方が多い。寒さ対策には一戸建て居住者の方が敏感なようだ。

これは先行記事の【これから注目の冬場のエアコン、設定温度は何度?】でも解説した通り、両住宅タイプではエアコンの平均暖房設定温度に1度ほどの差があり、一戸建ての方が低いことを一因として考えれば道理が通る。

↑ 冬場のエアコンの暖房設定温度は(エアコン利用者限定)(再録)
↑ 冬場のエアコンの暖房設定温度は(エアコン利用者限定)(再録)

室内の密閉度がマンションと比べて低く、面積も大きい一戸建てでは、どうしてもまんべんなく温めるのは難しく、暖房設定温度も低めにならざるを得ない(電気代を気にしなければ話は別だが)。そこで室内全体の温度が低い分、中で暮らす一人一人の工夫により、暖かさを得なければならない。その工夫の一つが防寒対策の靴下着用という次第である。「寒さ対策には靴下ははかない」とする意見も、マンションが8.5%なのに対し、一戸建ては6.2%に留まっているのも納得できる。

行儀作法の面で「室内靴下御法度」という方針があるのなら仕方がない。それは個々の世帯の流儀の自由である。そのような理由が無ければ、寒さの厳しさを体が覚えるようになったら、靴下を履いて冷えに備えたいものだ。


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