メディケア生命保険は2013年10月30日付で公式サイトにおいて、「働く女性のストレスに関する調査」の結果を公表した。その内容によれば有職女性から成る調査対象母集団では、働きやすい環境の条件としてもっとも多くの人が挙げたのは「休暇を取りやすい」だった。3/4が同意を示している。次いで「残業や休日出勤が少ない」「男女が平等」が続いている(【メディケア生命保険:発表リリース一覧ページ】)。



今調査に関する調査要件などは先行記事の【働く女性のストレス感、原因は何かと尋ねたら…】を参考のこと。その記事でも解説したが、就労女性ではストレスの原因の多分を仕事が占めていた。一日の生活時間のうち就労時間の割合が大きいこともあるが、ストレスの原因度合いはそれ以上に見える。

↑ 何がストレスの原因になっていると思うか(複数回答、ストレス認知者限定)
↑ 何がストレスの原因になっていると思うか(複数回答、ストレス認知者限定)

それでは女性にとって、働きやすい環境とはどのような条件が必要なのだろうか。無論これは「女性が求める理想的な職場環境」に通じることになる。

↑ どのような環境が働きやすいと思うか(複数回答)
↑ どのような環境が働きやすいと思うか(複数回答)

群を抜いて多くの人が同意を示したのは「休暇を取りやすい」。74.7%と唯一過半数の値を示している。見方を変えれば現在の職場では女性就業者は思った通りの休暇を取りにくいことがうかがえる。身体的な面で男性と比べれば休暇の必要が何かと多い女性だが、そのあたりの実情を男性上司・同僚には理解してもらえないのかもしれない(「男性の上司・先輩」がストレス原因の上位についているのも連動性があるように見える)。もっとも休暇を取りにくいこと自体は、男女に関わらず昨今の仕事事情ではある。

第2位は「残業や休日出勤が少ない」で41.0%。これも見方を変えれば現在は望まない形での残業、休日出勤が多いことになる。トップの「休暇を取りやすい」と合わせ、ハードワークな現状がうかがえる。だからこそ「仕事の内容」「仕事の量」でストレスが溜まりやすいのだろう。

また、自らの能力を高めるために欠かせない「教育プログラム」を求める声や、昨今育児休業の延期要請で話題に登っている育児周り、「育児支援がある」「職場に保育サービスが整備されている」もそれなりに高い値を示している。一方で「フレックスタイム制」や同性・異性の社員の多い少ないは、あまり環境の良し悪しとは関係が無いようだ。



望まれる環境をすべて整備すれば良いのかとなると、それはそれで費用対効果などの点で問題が生じることになる。しかし要望は不満の裏返しであることを考えると、特に回答値が高い「休暇」「残業や休日出勤」「男女平等」関連は、企業においても注視すべき項目である。見方を変えれば、女性の積極的な雇用を推し進める企業の場合、これらの点に特に配慮を見せることが求められよう。


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