
化粧の理由は「身だしなみ」「身体防衛」
今調査は2013年10月9日から16日に渡ってインターネット経由で、15歳から64歳の女性に対して行われている。有効回答数は1000件。世代構成比は15-24歳・25-34歳・35-44歳・45-54歳・55-64歳で均等割り当て。
男性から見ればとかく不思議に覚える女性の行動の一つが「化粧」。なぜそれほど執拗に行うのか、そこまで時間がかかるのか、そしてどのような技術を駆使すればそこまで変化、もとい美しく飾ることができるのか。以前【女性の神秘・化粧の頻度や好き嫌いを探る】で解説したが、女性自身も自らの化粧行為には複雑な心境を抱いている。
それではなぜ女性は化粧をするのか。週一以上で化粧をたしなむ女性(調査対象母集団の86.1%)にその理由を聞いたところ、最上位の理由として挙げられたのは「身だしなみとして当たり前」だった。63.1%が同意を示している。

↑ 化粧をする理由(週一以上で化粧をする女性対象)(複数回答)
唯一過半数に達した回答が「社会規範として常識だから化粧をしている」というもの。次点以降は「肌を紫外線などから守るため」という健康上の理由と、「きちんとした印象に見せるため」「習慣だから」など社会規範上の問題、そして「ノーメイクは恥ずかしい」「気になるところをカバーするため」といった見栄に関する項目に大別できる(「ノーメイク」は幾分社会規範の要素もあるかもしれない)。
そして上位陣の動向を見るに、女性自身の願望というよりは、社会のルールとして半ば仕方なく、あるいは健康上・アンチエイジング的に化粧をしていることがうかがえる。
もしもの世界「女性は化粧をしなくても良い」ならば?
それでは仮に、社会規範、風潮的に「女性は化粧をするもの」という話が無かったら、回答者女性陣(のうち日頃から化粧をしている人)は、それでも化粧を続けるだろうか。それとも「風潮が無いのなら別にしなくても」と思うだろうか。

↑ 「女性は化粧をするもの」という風潮があるが、それが無くても自分は化粧をすると思うか(週一以上で化粧をする女性対象)
それでもこれまで同様化粧を続ける人は4割足らず。残りの6割強は何らかの形で化粧品度を落とす。しかも14.3%は「風潮が無いのなら化粧はしなくてもいい、スッピンでかまわない」と回答している。やはり多分に社会的風潮が、女性の化粧動機にあるようだ。
また興味深いのは、現状における化粧頻度が高く、同時に化粧へ嫌気を覚えている割合が大きい35-44歳の世代でやや「化粧頻度は変わらない」の回答が大きいこと。これはこの世代の女性の化粧動機が社会風潮では無く、その他の理由(多分にアンチエイジングや気になる所のカバー、より美しくなどだろう)によるところが大きいと考えられる。ただし他世代との差はそれほど大きく無く、大勢には影響を及ぼしていない。
スッピンでどこまでいける? 「外出できない」は15.8%
それではそのような社会風潮に変化は無く、現状のままで、化粧をしない状態でどこまで外出できるのか。他人との接触に主点を置き、「何処へでも」「勤務先・学校」「知人がいない場所」「近所のスーパー・コンビニまで」「不可能」とランク付けした上で、その上限を聞いた結果が次のグラフ。

↑ 化粧をしない状態で外出ができるか(週一以上で化粧をする女性対象)
全体では「スッピンでどこへでも行けます」という人は17.9%に留まっている。「勤務先や学校でもOK」は2.8%。知人がいる領域という区切りで見れば大体2割程度か。「知人がいない場所までなら何とか」、つまり日頃接触している人に自分の化粧をしていない姿を見られたくない人は4割程度となる。「全然ダメ、外出できない」という人も15.8%。
世代別に見ると、概して若年層の方がおおらかで、化粧無しでも行ける領域が広い。「何処へでも」を見ると15-24歳は25.3%が問題なしと回答しているが、55-64歳では13.1%に留まってしまっている。また上でも触れた「一番化粧にこだわり、頻度も高く、化粧に関して嫌気を覚えている」35-44歳層は、世代間の漸減傾向の中でややイレギュラー的な露出拒否反応が数字に表れており、納得の行く動きを示している。
とはいえ、現状では多くの女性は、「化粧無しでは」自由行動がしにくいと考えている。それほどまでに女性にとって化粧は大切で、同時に負担となる行為。一見すると男性には理解がし難い世界ではあるが、色々な事情を抱えての行動である以上、おおらかな目で見守りたいものだ。
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