野村総合研究所は2013年12月25日、生活者1万人アンケート調査の金融編に関する結果資料を公開した。その内容によれば調査対象母集団においては、40代で2割強、20代でも1割強が老後の生活資金のための貯蓄を準備・計画していることが分かった。興味関心が無い人などはいずれも少数に留まっている(【発表リリース:「生活者1万人アンケート(金融編)」を実施 】)。
今調査は2013年8月から9月にかけて、層化確率比例抽出法(性・年代別に割り当て)で選ばれた満18歳から79歳の男女個人に対し、訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は1万0073人。
歳を重ねるに連れて多くの人は現職の継続が困難になり、当然稼ぎを得るのが難しくなる。定年退職を果たしてしまえば、残る収入源は年金のみとなり、後は貯蓄を切り崩すしか生活の術は無くなる(再就職や不動産収入などのルートもあるが、一般的では無い)。そして誰の身にも確実に高齢化はやってくる。
そこで老後に備え、生活資金の貯蓄をしているかについて尋ねた結果が次のグラフ。「準備・計画している」は老後に備えた貯蓄を実際に行っている、あるいは具体的な計画を立てている、「準備・計画はしていないが興味はある」は具体的行動を起こしては無いものの関心を持っている、「興味はない・該当しない」は老後の貯蓄に関する考えを抱いていないことを意味する。
↑ 「老後の生活資金の貯蓄」に関する準備・計画状況
概して歳が上になるに連れて貯蓄を行っている割合は増加する。50代に入るとそれまでと比べて上昇幅が大きくなり、老後のための蓄財が本格化することがうかがえる。とはいえ見方を変えると、5割強は「興味関心はあるものの、行動には移していない」ことも事実である。
また実行動をしている割合は15%でしかないが、20代でもすでに49%が「老後の生活資金の貯蓄」に興味を持っており、関心の無い人は33%でしかない。年金問題で振り回される感が強い若年層だが、それなりに自己防衛手段として、老後に関して金銭面での興味、あるいは不安を抱いていることが分かる。
リリースではこれらの動きに対し、今後は高齢者向けのサービスが増えるに連れ、選択肢も増加し、必然的に金銭が必要な場面も増えていくとし、事前の準備・計画をする人、考える人が増加していくと推測している。公的年金への期待度の低下に伴い、私財によるサポートの必要性が増すことを合わせて考えれば、その推測は道理にかなったものといえるだろう。
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