
病院選択時に参考にするのは「口コミ」「医者の紹介」「公式サイト」
今調査は2014年1月6日から8日にかけて携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、1年以内に通院経験のある20代から50代の男女を対象にしている。有効回答数は1000人。世代・性別で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
病気やけがで通院・入院をする際に選択することになる病院や医者は、その選定が非常に難しい。規模や距離、歴史などはともかく、その実績や信頼度などは数字化されておらず、比較が難しいからだ(ゲームのようにパラメータが表示されているわけではない)。実際、過去1年間に通院経験がある人では、72.5%の人が「病院選び・医者選びは難しい」と考えている。

↑ 病院選び・医者選びは難しい
しかしよほどのことが無い限り、一つの病気・ケガに対して通院する病院は一つになる。それこそ買物の際のお店選びのように、気分であちこちと通う病院を変えることは出来ない。そこでより良い病院を選ぶため、どのような情報を参考にしているだろうか。複数回答の結果が次のグラフ。

↑ 病院を選ぶ際にどのような情報を参考にするか(複数回答)
最多回答事例は「家族や知人の評判」。いわゆる口コミ。実体験による内容が多分を占めるだけに(例えば「以前お世話になったけどていねいに診察してくれたわよ」のような)、耳を傾ける人が多いのも至極納得できる。次いで多いのは「かかりつけの医者の紹介」。医者のネットワークを駆使した上での紹介ならば、参考にしないわけにはいかない。普段からお世話になっている先生の紹介ならばなおさらである。
次いで多い意見は「病院の公式サイト」。最近では医療実績や病院施設内の詳しい状況を公式サイトで公開する病院も増えており、以前なら決して把握できなかったであろう情報が当事者から入手可能となっている。受験の際に対象学校のサイトを調べるような感覚で、色々と確認し、知りたい情報を精査できるのがありがたい。もちろん「駐車場の整備状況、交通アクセス」など、通院をするとなれば必要不可欠な情報のチェックは言うまでもない。
「病院検索サイト」が26.2%と高い値を示しているのは注目に値する。自分が見てほしい病気などで、どの病院の選択がベストなのかを知るためには、複数選択肢から判断する必要に迫られることも多い。専用の病院検索サイトならば色々な条件(駅から近いか、駐車場があるか、専門医がいるか、先端技術に強いかなど)で選別し、より良い選択を成すことができるからだ。
世代で変化する情報需要、しかし「口コミ」の強さは変わらず
これを回答者の世代別に見たのが次のグラフ。

↑ 病院を選ぶ際にどのような情報を参考にするか(複数回答)(世代別、上位)
まずトップの「家族や知人の評判」、つまり口コミの世代を超えた強さが確認できる。病院精査の際の情報源としての口コミは、他の事例同様最強のパワーを有するようだ。
一方、デジタル系・ネット系の情報は概して30代がもっともよく使い、40代から50代にかけて利用率が落ちていく。今件調査は携帯電話(一般携帯・スマホ双方含む)による調査であり、デジタルデバイドはさほど考慮しなくてよいこともあわせて考えると、ネット系ツールを使う・使わないでは無く、慣習としてデジタル系・ネット系の情報に重きを置くか否かの違いが出ているものと考えられる。
他方「かかりつけの医者の紹介」ではきれいな形で世代と共に回答率が上昇していく。世代間では最大20%ポイントもの差が出ている。「専門家」という肩書、権威に対する信頼度の違いに加え、かかりつけの医者との付き合いの長短が差に表れたのだろう。
ちなみに街中で良く見かける、電柱広告はデジタル系・ネット系と同じパターンを示している。従来型広告の典型的な事例で、見かける機会も多いのだが、意外にも中堅層以降からは情報源にすらなり得ていないようだ。
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