
評判一番、近所が二番、丁寧なのが第三番
今調査は1年以内に通院経験のある20代から50代の男女を対象に、2014年1月6日から8日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。世代・性別で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
先行する今件調査の別途解説記事にある通り、調査対象母集団では病院を選ぶ際の情報源として、口コミや医者の紹介、公式サイトなどを用いていることが多い。

↑ 病院を選ぶ際にどのような情報を参考にするか(複数回答)(再録)
それでは実際に病院を選ぶ際は、どのような要素を重視しているだろうか。最上位についたのは「病院の評判」。70.2%の人が「病院を選ぶ際には、病院自身の評判を重視する」と答えている。

↑ 病院を選ぶ際に何を重視しているか(複数回答)
同じ評判でも「病院の評判」が70.2%なのに対し「医者の評判」は60.2%に留まっている(他の選択肢よりははるかに高いが)。よほど高名な医者でなければ医者個人の情報を参考に病院を選択することは難しく、また非常に良い評判を持つ医者を見つけても他の条件が合わな過ぎて病院の選択が出来ない事例を考えれば、まずは病院そのものを優先する結果となるのは理解できよう。
次いで多いのは「近所、行きやすさ」で58.1%。一度きりの通院ならともかく、大抵は完治まで何度となく足を運ぶことになる以上、あるいは入院が必要になる場合もあることから、足の通いやすさは重要な要件となりうる。無論、場合によっては遠い距離でも多少の無理は承知の上で、通院しなければならない事例もあるのだが。
意外に高い値にあるのが「駐車場の有無」。これは回答者本人が通院対象となる場合はもちろんだが、自分の子供を診てもらう場合にも重要な要素となる。自前の自動車が使えないとなると、通院に難儀するであろう人は多いに違いない。
女性は病院に多くを求める
これを男女別に区分して再集計したのが次のグラフ。

↑ 病院を選ぶ際に何を重視しているか(複数回答)(男女別、上位)
少なくとも上位陣では全項目で女性の方が回答率は高い。複数回答形式であることから考えても、女性がより多くの事柄について、病院選択時にウエイトを置いていることが分かる。
詳しい男女別動向をみると、女性はほぼ全体の順位と変わらないが、男性は一部変動が確認できる。具体的には「近所、行きやすさ」が「医者の評判」よりも上、「医療設備・機器の充実度」が「医者などの対応の丁寧さ」よりも上という次第である。わずかではあるが医者そのものの評判をはじめとした評価への重視度が低い感はある。
他方女性はといえば、男性と比べると医者個人への需要が高い。「評判」「対応の丁寧さ」「相談のしやすさ」で男性と比べた差異が大きい。相対的な違いともいえるが、女性は病院選択の際に、医者本人に頼り、選択をしたがる傾向が強いと見てもよいだろう。
この傾向の理由はいくつか考えられるが、その一つとして女性は医者とのコミュニケーションが苦手であることが挙げられる。今調査別項目では例えば20代男性の「医者とのコミュニケーションが苦手」とする意見が39.2%なのに対し、同世代の女性では56.8%に及んでいる。多分に肉体的なプライバシーの点まで踏み込んでのやり取りとなることから、そして男性の医師が多いことから、及び腰になってしまうのだろう。
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