多種多様な機能が満載され、いつでもどこでも夢中になれる魅力的な多数のコンテンツにアクセスできることから、スマートフォンを操作しているとつい時間が経つのを忘れてしまう。しかし時間の経過と共に、身体の「きしみ」を覚えることも少なくない。肩こり、首の痛み、頭痛、目の疲れ。経験のある人は多いだろう。今回はインターワイヤードのDIMSDRIVEが2014年2月4日付で公開した、「スマートフォンの使用と姿勢に関する調査結果」から、スマートフォンを使っている人における、その利用が原因だとの自覚のある身体のトラブルについてチェックをしていくことにする(【発表リリース:「スマートフォンの使用と姿勢」に関するアンケート】)。



目のこり、疲れは4割近く


今調査は2013年10月14日から28日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は7399人。男女比は59.1対40.9。世代構成比は10代から10歳区切りで0.2%・4.1%・16.2%・31.1%・27.1%・15.1%・6.2%。そのうち2881人がスマートフォンを使用している。

そのスマートフォン使用者に対し、身体の変調(マイナス点)を覚え、それがスマートフォンの使用(単純な使用だけでなく、長時間の使用や姿勢の悪さなど)を原因だとする自認があるものについて答えてもらったものが次のグラフ。例えば「最近肩が凝るんだけど、スマホを持ったまま長時間同じ姿勢しているからかな」「目が疲れてる。この数週間、ずっと床に入ってから電子書籍読んでたしな」といった具合である。

↑ スマートフォンを使っていて自分の身体に感じる事(スマホ使用が原因だと思われるもの)(スマホ使用者限定、複数回答)
↑ スマートフォンを使っていて自分の身体に感じる事(スマホ使用が原因だと思われるもの)(スマホ使用者限定、複数回答)

もっとも多い変調は「目のこり、疲れ」。37.0%が自覚している。画面が比較的小さいこと、暗い所での操作が少なくないこと、画面に近づいて見る場合が多分にあることなどが理由。知らず知らずのうちに目を酷使してしまっている次第。

次いで多いのは「肩こり」、ほぼ同率で「首のこり」、やや値は落ちるが「首の痛み」が続く。つい前かがみになって画面を眺めてしまうことや、不自然な姿勢での長時間利用が理由。

部位的なものとは異なる意味合いのものとしては「頭痛」がもっとも多く10.4%。もっとも頭痛の類は概して他の部位のストレスが影響していることもあるため(例えば肩こりが酷いと頭痛も併発する人は多い)、他の部位のトラブルの連鎖反応の可能性も多分にある。

他方、42.9%は「特に感じない」と答えている。適切に使いこなしているのか、身体が丈夫なのかまでは推し量れないが、随分と多いものだ。

使用時間や本体重量で「身体不調」は変化するのか


今調査では「特に感じない」人以外を「身体不調」とし、どのような状況の人が身体不調を自覚しているかについて比較データを呈している。そのうち「スマートフォンの重量」「使用時間」の2点について、有意性のある動きが確認できている。

↑ 不調を感じる人(スマホの重さ別)
↑ 不調を感じる人(スマホの重さ別)

↑ 不調を感じる人(スマホの1日あたりの使用時間別)
↑ 不調を感じる人(スマホの1日あたりの使用時間別)

「利用時間」で一部イレギュラーなところがあるがそれも大きな差異では無く、概して「長時間者ほど不調者が多い」「スマホが重い人ほど不調さが多い」との結果が出ている。この2項目は直接的な理由として以外に、他の要因を後押しする要因ともなりうるため(例えば本体重量が大きいと、腕を支える場所が無い場面での操作は腕に無理な力を余計に与えてしまう)、このように明確な結果が出ることになったのだろう。

利用時間では2倍近く、重量では(「分からない」は除くとして)3割増しもの「不調感自認者」率は高い。今データだけでは因果関係まで証明することはできないが、浅からぬ関係にあることは容易に分かる。長時間使うものである以上、正しい姿勢で臨むのは当然として、重量や利用時間は自分自身の身体と相談して決定づけることをお勧めする。


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