愛猫との間に意思疎通が出来る……ように思える人は少なくないが、実際に人間同士のような明確な会話を交わすことは現在の科学技術では不可能。猫たちが身体の不調を覚えていたとしても、それを飼い主がすぐに気が付くとは限らない。いつの間にか病症が進展していた事例も多々見受けられる。そのような事態に陥らないためにも、定期健診は欠かせないのだが、それでは飼い主達はどのような病気を恐れているだろうか。ペットラインが2014年3月5日付で発表した調査結果【愛猫の健康と飼い主の愛情に関する調査】から、飼い主たちが心配している愛猫の病気を調べていくことにする。



今件調査は2014年2月7日から14日に渡って猫を飼っている(匹数は問わない)20歳以上の男女に対して、携帯電話を用いたインターネット経由で行ったもの。有効回答数は2000人。男女比は1対1、世代構成比は20代488人・30代639人・40代591人・50歳以上282人。調査機関はネットエイジア。

猫とて生き物である以上、何らかの病気を発症するリスクを背負っている。そして発症に対して飼い主が心配をするのも当然の話。自分の猫がどのような病気にかかるのか、心配している病気について聞いたところ、もっとも多くの飼い主が懸念していたのは感染症だった。4割が「自分の猫が感染症にかかるかも」と不安を抱いている。

↑ 愛猫がかかることを心配している病気(複数回答)
↑ 愛猫がかかることを心配している病気(複数回答)

感染症の具体例としては猫風邪、猫エイズ、猫白血病ウイルスなどが挙げられる。次いで多いのは泌尿器の病気で39.5%。ほとんど感染症への懸念と変わらない。こちらは具体例としては下部尿路疾患、腎不全、膀胱炎などが該当する。以下悪性腫瘍(乳がん、リンパ腫など)、目の病気(結膜炎など)、消化器の病気(胃腸炎、毛玉症)、皮膚の病気(アレルギー性皮膚炎)などが続くが、ごく一部の病症をのぞけば、どれも人間が発症する病気と同じである。

これを飼い主の性別に見ると、「特になし」以外の全項目で女性の方が高い値を示している。

↑ 愛猫がかかることを心配している病気(複数回答)(男女別)
↑ 愛猫がかかることを心配している病気(複数回答)(男女別)

これは女性が飼っている猫の方が病弱だから、というわけでは無く、女性は男性よりも愛猫に対して多分に心配をしている、気にかけていることを意味する。実際、男性よりも女性の方がわずかではあるが、愛猫に健康診断を受けさせている人、定期的に健康診断を受けさせている人共に、高い割合を示していることからも、それは裏付けできる。

特にグラフ中矢印で記したが、泌尿器の病気に対する心配度が大きい。女性に限れば感染症を抜きトップの値についている。これは多分に健康診断の過程で獣医から病気の事例を聞き、他の猫の病気の実態を認識しているのが理由だと考えられる。実際、今件調査対象母集団においても、愛猫がかかった病気を挙げてもらうとトップには、感染症では無く泌尿器の病気がついている。

↑ 実際に愛猫がかかったことがある病気(複数回答、一部)
↑ 実際に愛猫がかかったことがある病気(複数回答、一部)

上位3項目「泌尿器の病気」「感染症」「目の病気」は猫の三大疾病と表現しても良いだろう。心配している病気とは微妙に順位が異なるが、これは死のリスクの高低が影響しているものと考えられる。



冒頭で触れたように、猫は飼い主に向けた明確な意志表示をすることが出来ない。それらしい仕草、雰囲気、徴候をつかみ、身体のトラブルを推し量る必要がある。かわいいと愛でるだけでなく、猫たちの実情を少しでも理解把握できるよう、飼い主もまた学び、予防や健診の実施などの努力が求められよう。


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