小説でも漫画でもゲームでも、夢中になると昼夜を問わず寝食を忘れて没頭してしまうもの。多種多様な事柄を成せる携帯電話(一般携帯電話とスマートフォンの双方)、特にスマートフォンならば、大人も子供もとりこになるのも不思議ではない。今回は2014年3月10日にデジタルアーツが発表した【未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査】で掲載されていた、携帯電話の利用時間帯分布を基に、特に高校生がどこまで携帯電話に時間を奪われいるかを確認していくことにする。



今調査は2014年2月17日から18日にかけて携帯電話(機種は問わず)を持つ小学4年生から高校生の男女618人と、未就学児から高校生までの子供を末子に持つ保護者624人を対象とし、インターネット経由で行われた。携帯電話非保有者の子供は該当しない。また今回は子供のみにスポットライトを当てている。

次のグラフは高校生を対象とし、各区分の時間帯に携帯電話を使っているか否かを尋ねたもの。例えば「3-6時」は男女とも7.8%とあるので、男子高校生も女子高校生も午前3時から6時の間には、7.8%が携帯電話を使っていることになる。

↑ 携帯電話の1日における使用時間帯(高校生)
↑ 携帯電話の1日における使用時間帯(高校生)

大人が回答者ならば夜間勤務の事例もあるので、午前ゼロ時以降夜明けまでの間に回答率がそれなりに高い、つまり夜間に起きて利用していてもおかしくはない。しかし今件は高校生限定であることを考えると、午前ゼロ時以降6時までの時間帯で、一定率で利用している人がいることに驚かされる。睡眠時間とのクロスオーバー的なデータを知りたいところだ。

夜が明けてからは朝食時でほぼ半数が利用。就学中はさすがにやや値が落ちるものの、昼休みや休み時間帯に用いる人も多数いることから、3-4割台を維持。授業が終わる夕方以降になると値は伸び、夕食後の団らんの時間に一段利用率は上昇する。そしてその高利用率は午前ゼロ時頃まで続く。

男女別に見ると朝の時間帯でわずかに男子が高い値を示しているが、それ以外は一様に女子の方が高率。特に深夜の午後9時から午前ゼロ時で大きな差が出ている。その後翌日の深夜帯でも同様の動きを示していることから、女子の多くが夕食後のプライベートタイムで携帯電話を使いまくりであることが想像できる。

この「使いまくり状態」は多分にスマートフォン利用者であることが想像できるのが、次の結果。これは高校生だけに限らず、子供のスマートフォン所有者と非所有者を区分した上での結果だが、一般携帯電話の場合は夕食後あたりから午前ゼロ時位までの間の利用に限られるのに対し、スマートフォンは朝起きてから午前ゼロ時まで、比較的高い値を維持していることが確認できる。要は一般携帯電話以上にスマートフォンでは、べったり状態の度合いが大きいことになる。

↑ 携帯電話の1日における使用時間帯(スマートフォン所有状況別)
↑ 携帯電話の1日における使用時間帯(スマートフォン所有状況別)

これは現時点で一般携帯電話において長時間使える、使いたくなるコンテンツの量がさほど多くないことに加え、一般携帯電話が多分に防犯的な観点で用いられているのが要因として挙げられる。次のグラフは携帯電話を1日5分以上使わない人の割合を示したものだが、スマートフォン非所有者の1/3以上が該当している。

↑ 携帯電話を1日5分以上使うことが無い人の割合(携帯電話保有者限定)
↑ 携帯電話を1日5分以上使うことが無い人の割合(携帯電話保有者限定)

また女子小学校もほぼ同率、女子中学生も男子中学生と比べて高い値を示している。多分に安全確認のためなどに子供に携帯電話を持たせ、普段はほとんど使用しない・させない状態にあることが容易に想像できる。



例えば午前ゼロ時から3時までの間で女子高生の3割強が携帯電話を使っているとあるが、その3時間はずっと画面を注視してキーをタッチしまくりというわけでは無い。しかし睡眠は概して連続した形で時間を取らないと熟睡出来ないことを考えれば、睡眠不足に至ることは容易に想像が出来る。

夢中になるのは理解できるが、それで体を壊したり学業に支障が出たのではたまらない。また四六時中携帯電話を使用していると、他の物事がおろそかになりかねない。適度な利用を心掛けてほしいし、保護者は子供に真似されるような正しい利用スタイルを示してほしいものだ。


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