
国民健康・栄養調査を基にした、直近、及び過去数年間に渡る食塩摂取量の全体的な動向については、すでに先行記事の【一日の平均食塩摂取量は男性10.8グラム・女性9.2グラム(最新)】で解説済み。最近では食塩摂取量は漸減する傾向にある。

↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)(年齢調整後)(再録)
また「健康日本21」、さらには厚生労働省の【「日本人の食事摂取基準」(2015年版)】では、成人の目標塩分摂取量に関して、男性は8.0グラム未満・女性は7.0グラム未満(2015年版、1日あたり、ナトリウムの食塩相当量)と定めている。
これらの値を念頭に置いた上で。次に示すのは2016年時点の都道府県別の成人における、平均食塩摂取量。各地域別の年齢階層構成によるぶれを無くすため、年齢調整が施された上での値である。なお2016年4月の熊本地震の影響により熊本県のデータは無い。

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)
地域別で際立った差は無いように見えるが、唯一沖縄県の少なさが目立つ。詳しくは後述するが、沖縄における食生活上の特異性による結果が出ている。また、沖縄県ではほぼ一年中気候が温暖なのも、(身体の温度を保つのには欠かせない)塩分摂取量が少ない一因。見方を変えれば寒さが厳しい地域ほど、体温維持のために食塩を多く摂取するようになるとの話は、全体のグラフを見ても東日本の方が多いように見えることからも、説得力がある。
また男女別に見ると、全都道府県で男性の方が女性よりも摂取量が1グラムから2グラム強の範囲で多い。これは強労働に従事する割合が、男性の方が多いのが主要因。身体を動かし汗をかくことで、身体はより多くの塩分を求めるようになるからに他ならない。
さて上記グラフではやや傾向が分かりにくいこともあり、男女それぞれについて上位・下位10位を抽出してみることにする。まずは男性。

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(上位10位)

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(下位10位)
「東日本の方が多いように見える」件だが、上位陣には東日本の県が多く、下位陣には西日本の県が多いことから、その印象が的外れではないことが分かる。また改めて沖縄県の摂取量の少なさが認識できる(縦軸は上位・下位グラフともすべてそろえている)。
沖縄県が他地域と比べて食塩摂取量が少ない理由は、味付けで多分にかつお節や削り節などかつお系の調味料を用いるのが原因。それらを使うため、しょう油を使う機会が少なくなる次第である。

↑ 都道府県庁所在地別「かつお節・削り節」世帯平均消費金額(2016年、円、総世帯)(家計調査より)
沖縄県だけでなく、かつお節の生産が盛んな三重県や高知県などでも「かつお節・削り節」の消費量の大きさが際立っている。他方、高知県は沖縄に続く食塩摂取量の少ない県となっているが、三重県はほぼ全国平均並みの値。不思議な動向ではある。それだけ食への探求が旺盛なのだろうか。
女性も大勢に変わりはない。多少の順位変動があるのみで、男性と比べていくぶん少ない以外は、東日本が多く、西日本が少ない。

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(上位10位)

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(下位10位)
男性同様女性でも、沖縄県や高知県の少なさが際立っている。
「日本人の食事摂取基準」(2015年版)による成人の目標塩分摂取量と上記グラフを見返せばお分かりの通り「男性は8.0グラム未満・女性は7.0グラム未満」とする目標摂取量は、実は塩分摂取量の少ない沖縄県ですら達成していない。現在の食生活を考慮すると、やや難しい目標なのかもしれない。
一方でここ数年は健康志向の高まりを受け、食塩の摂取量も少しずつ減る方向を示している。過剰な減塩はかえって身体に良くない影響を及ぼしかねないが、留意するにこしたことはないだろう。
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↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、グラム/日)(年齢調整後)(再録)
また「健康日本21」、さらには厚生労働省の【「日本人の食事摂取基準」(2015年版)】では、成人の目標塩分摂取量に関して、男性は8.0グラム未満・女性は7.0グラム未満(2015年版、1日あたり、ナトリウムの食塩相当量)と定めている。
これらの値を念頭に置いた上で。次に示すのは2016年時点の都道府県別の成人における、平均食塩摂取量。各地域別の年齢階層構成によるぶれを無くすため、年齢調整が施された上での値である。なお2016年4月の熊本地震の影響により熊本県のデータは無い。

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)
地域別で際立った差は無いように見えるが、唯一沖縄県の少なさが目立つ。詳しくは後述するが、沖縄における食生活上の特異性による結果が出ている。また、沖縄県ではほぼ一年中気候が温暖なのも、(身体の温度を保つのには欠かせない)塩分摂取量が少ない一因。見方を変えれば寒さが厳しい地域ほど、体温維持のために食塩を多く摂取するようになるとの話は、全体のグラフを見ても東日本の方が多いように見えることからも、説得力がある。
また男女別に見ると、全都道府県で男性の方が女性よりも摂取量が1グラムから2グラム強の範囲で多い。これは強労働に従事する割合が、男性の方が多いのが主要因。身体を動かし汗をかくことで、身体はより多くの塩分を求めるようになるからに他ならない。
さて上記グラフではやや傾向が分かりにくいこともあり、男女それぞれについて上位・下位10位を抽出してみることにする。まずは男性。

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(上位10位)

↑ 食塩摂取量の平均値(男性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(下位10位)
「東日本の方が多いように見える」件だが、上位陣には東日本の県が多く、下位陣には西日本の県が多いことから、その印象が的外れではないことが分かる。また改めて沖縄県の摂取量の少なさが認識できる(縦軸は上位・下位グラフともすべてそろえている)。
沖縄県が他地域と比べて食塩摂取量が少ない理由は、味付けで多分にかつお節や削り節などかつお系の調味料を用いるのが原因。それらを使うため、しょう油を使う機会が少なくなる次第である。

↑ 都道府県庁所在地別「かつお節・削り節」世帯平均消費金額(2016年、円、総世帯)(家計調査より)
沖縄県だけでなく、かつお節の生産が盛んな三重県や高知県などでも「かつお節・削り節」の消費量の大きさが際立っている。他方、高知県は沖縄に続く食塩摂取量の少ない県となっているが、三重県はほぼ全国平均並みの値。不思議な動向ではある。それだけ食への探求が旺盛なのだろうか。
女性も大勢に変わりはない。多少の順位変動があるのみで、男性と比べていくぶん少ない以外は、東日本が多く、西日本が少ない。

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(上位10位)

↑ 食塩摂取量の平均値(女性)(2016年、20歳以上、グラム、年齢調整済み)(下位10位)
男性同様女性でも、沖縄県や高知県の少なさが際立っている。
「日本人の食事摂取基準」(2015年版)による成人の目標塩分摂取量と上記グラフを見返せばお分かりの通り「男性は8.0グラム未満・女性は7.0グラム未満」とする目標摂取量は、実は塩分摂取量の少ない沖縄県ですら達成していない。現在の食生活を考慮すると、やや難しい目標なのかもしれない。
一方でここ数年は健康志向の高まりを受け、食塩の摂取量も少しずつ減る方向を示している。過剰な減塩はかえって身体に良くない影響を及ぼしかねないが、留意するにこしたことはないだろう。
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