
今調査は2014年1月7日から31日までの間、154校の都立の全日制・定時制の高等学校に対して、郵送法による無記名自記式質問紙調査方式で行われたもの。有効回答数は1万5191票。学年・性別区分はほぼ均等割り当て。
冒頭で触れた先行記事の通り、ソーシャルメディアをたしなむ高校生では、素早い反応に関して大きな負担を感じている。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)(再録)
それではスピーディなレスポンス以外でソーシャルメディア利用について悩み、負担に覚えるようなことは無いのか? という視点によるところが今回のチェック項目。元資料から該当しそうな項目を5つ挙げ、ソーシャルメディア利用者に対する比率を示したのが次のグラフ。例えば「自分のプライバシーをどこまで書いてよいか」の項目には10.8%が同意を示しているので、ソーシャルメディアを利用する高校生の約1割は「自分のプライバシーの表現に関するガイドラインで悩んでいたり、負担に感じている」ということになる。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)
リストアップされた項目では自分のプライバシー表記に関する負担が一番多い。あまりにもぼかした情報でのやり取りは相手に不振がられるかもしれないが、逆に細かすぎる・詳しすぎる情報開示をすると、いわゆる「身ばれ」の元となる。何気ないセリフ回しやちょっとした機能の設定ミスで、個人を特定しうる情報が頒布され、自分の居住地や本名が暴露されてしまう。そのようなリスクを恐れるのは、ある意味当然の話。しかしそれを負担に思う高校生は少なくない(ちなみに「身ばれ」が怖いのは、不特定多数の第三者からあらぬ「攻撃」を受ける対象になりうるからである)。
同様の「身ばれ」が怖い要件としては「他人のプライベート」が対象になる事例も挙げられる。こちらは自分の知り合いだけでは無く、まったく知らない第三者の情報も該当する。例えば電車の中で面白い格好をして寝ていた人の写真を撮り、それをそのままソーシャルメディア上に当人の許可なく公開するのは良いことなのか否か、さらにその人のバッグに書かれていた名字や社章など個人情報までさらしてよいのか、ということ(もちろん倫理的にはいずれもアウト)。
またリアルタイムなレスポンスの話に近しいところがあるが、ソーシャルメディア内における人間関係や、自分がアクセスしていない間に自分の悪口が書きこまれたり、話がされていないかという懸念も小さくない。いつでもどこでもすぐにアクセスできるのは、自分に限らない。誰もがアクセスできる以上、自分のいない間に何かが起きるかもしれない。ソーシャルメディアを利用していなければ気が付かなかったであろう事柄に、気が付ける機会が与えられてしまったことで、つい気になってしまう次第である。
男女別では概して女性の方が負担を覚える人の割合が多い。女性はソーシャルメディア上でのやり取りが活発であるからこそ、不安要素、負担となる場面も多くなる。また口コミに敏感なのも、気にしてしまう要因だろう。

↑ 携帯電話での平均利用時間(分、高校生、2014年1月)(再録)
ちなみにインターネットへの依存傾向の自己診断結果別に3区分化し、それぞれの区分による集計結果は次の通りとなる。当然といえばそれまでだが、自己判断で高度のネット依存にあると認めている人ほど、悩み事も多い。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)(ネット依存傾向別)
特に注目すべきは「ソーシャルメディア内の人間関係」。依存自覚度「高」の3割までもが負担に感じていたり悩んでいると回答している。自己解決できれば良いのだが、経験も浅く分別もついていない場合が多い高校生ともなれば、精神への負荷は大きく、身体にも影響が出かねない。ソーシャルメディアの上手な使い方、ソーシャルメディアも含めたインターネットにおける対人関係の留意点に関して、何らかの道しるべが求められているのかもしれない。
■関連記事:
【ソーシャルメディアで使われる名前と本名との関係】
【知り合いとのやりとりはSNS、悩み相談はブログ、情報探索はツイッター…主要ソーシャルメディアの利用目的傾向】
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冒頭で触れた先行記事の通り、ソーシャルメディアをたしなむ高校生では、素早い反応に関して大きな負担を感じている。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)(再録)
それではスピーディなレスポンス以外でソーシャルメディア利用について悩み、負担に覚えるようなことは無いのか? という視点によるところが今回のチェック項目。元資料から該当しそうな項目を5つ挙げ、ソーシャルメディア利用者に対する比率を示したのが次のグラフ。例えば「自分のプライバシーをどこまで書いてよいか」の項目には10.8%が同意を示しているので、ソーシャルメディアを利用する高校生の約1割は「自分のプライバシーの表現に関するガイドラインで悩んでいたり、負担に感じている」ということになる。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)
リストアップされた項目では自分のプライバシー表記に関する負担が一番多い。あまりにもぼかした情報でのやり取りは相手に不振がられるかもしれないが、逆に細かすぎる・詳しすぎる情報開示をすると、いわゆる「身ばれ」の元となる。何気ないセリフ回しやちょっとした機能の設定ミスで、個人を特定しうる情報が頒布され、自分の居住地や本名が暴露されてしまう。そのようなリスクを恐れるのは、ある意味当然の話。しかしそれを負担に思う高校生は少なくない(ちなみに「身ばれ」が怖いのは、不特定多数の第三者からあらぬ「攻撃」を受ける対象になりうるからである)。
同様の「身ばれ」が怖い要件としては「他人のプライベート」が対象になる事例も挙げられる。こちらは自分の知り合いだけでは無く、まったく知らない第三者の情報も該当する。例えば電車の中で面白い格好をして寝ていた人の写真を撮り、それをそのままソーシャルメディア上に当人の許可なく公開するのは良いことなのか否か、さらにその人のバッグに書かれていた名字や社章など個人情報までさらしてよいのか、ということ(もちろん倫理的にはいずれもアウト)。
またリアルタイムなレスポンスの話に近しいところがあるが、ソーシャルメディア内における人間関係や、自分がアクセスしていない間に自分の悪口が書きこまれたり、話がされていないかという懸念も小さくない。いつでもどこでもすぐにアクセスできるのは、自分に限らない。誰もがアクセスできる以上、自分のいない間に何かが起きるかもしれない。ソーシャルメディアを利用していなければ気が付かなかったであろう事柄に、気が付ける機会が与えられてしまったことで、つい気になってしまう次第である。
男女別では概して女性の方が負担を覚える人の割合が多い。女性はソーシャルメディア上でのやり取りが活発であるからこそ、不安要素、負担となる場面も多くなる。また口コミに敏感なのも、気にしてしまう要因だろう。

↑ 携帯電話での平均利用時間(分、高校生、2014年1月)(再録)
ちなみにインターネットへの依存傾向の自己診断結果別に3区分化し、それぞれの区分による集計結果は次の通りとなる。当然といえばそれまでだが、自己判断で高度のネット依存にあると認めている人ほど、悩み事も多い。

↑ ソーシャルメディア利用時に悩んだり負担に感じる事(2014年1月、高校生、ソーシャルメディア利用者限定)(ネット依存傾向別)
特に注目すべきは「ソーシャルメディア内の人間関係」。依存自覚度「高」の3割までもが負担に感じていたり悩んでいると回答している。自己解決できれば良いのだが、経験も浅く分別もついていない場合が多い高校生ともなれば、精神への負荷は大きく、身体にも影響が出かねない。ソーシャルメディアの上手な使い方、ソーシャルメディアも含めたインターネットにおける対人関係の留意点に関して、何らかの道しるべが求められているのかもしれない。
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