口の中をさっぱりさせる、食べた後の付着物などを取って虫歯予防を心がけるなど、食後の歯みがきは子供の頃から慣習づけられている人も多いはず。また寝起きや眠気覚ましとして、食後以外、特に起床時に歯を磨く人も少なくない。それでは実際、1日に何回ぐらい歯はみがかれているのだろうか。ライフメディアのリサーチバンクが2015年6月3日に発表した「歯に関する調査」を通して、その実態を探ることにする(【発表リリース:歯に関する調査(2015年)】)。



歯みがきは平均一日約2回?


今調査は2015年5月22日から27日にかけて10代から60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。

冒頭で触れた通り歯をみがくシーンは主に食後だが、それ以外の場面でもみがく場合は少なくない。1日3食といった通常の食生活の中では、概算しても3回以上、歯はみがかれているはずだが、今調査対象母集団では1日3回とする人は22.5%、それ以上との人は2.6%に過ぎなかった。

↑ 1日に何回歯を磨くか(2015年)
↑ 1日に何回歯を磨くか(2015年)

最多回答項目は1日2回で約5割。1回しかみがかない人は2割強。1日1回未満、つまりまったくみがかない日もある人は1.9%。1日2食しかとらない人が多数に登っているとは想定しにくいので、むしろ「食事はしたが歯はみがかない」状況が多分にあるものと考えられる。恐らくは学校なり職場での昼食後が該当するのだろう。歯磨きガムやうがいで簡易的に代替しているものと考えられる(これらの行為は今件の歯みがきには当てはまらない)。

男女別では女性の方が多回数の選択肢の回答率は高く、また少回数の回答率は低い。1日1回以下で仕切っても女性は2割未満だが、男性は3割強に達している。虫歯予防以外に口臭のエチケット的な観点でも、女性は歯みがきに関して厳粛なようだ。

この歯みがき回数について、同調査の過去データを抽出して整理したのが次のグラフ。

↑ 1日に何回歯を磨くか(経年)
↑ 1日に何回歯を磨くか(経年)

↑ 1日に何回歯を磨くか(概算平均)
↑ 1日に何回歯を磨くか(概算平均)

1日3回以上の回答率に変化は無いが、1回以下の回答率が増加しており、これを受けて概算平均も減少傾向にあった。しかし直近の2015年では少回数の回答率が減り、3回の回答率が増える動きを示し、これを受けて平均も大きく上昇。取得できる期間内では最大の値、2.04を示す結果となった。2014年までは「毎日はみがかない」と「1回」の合計値がじわりと増加し続けており、不安を覚える形だったが、直近の結果でやや胸をなでおろせた感はある。

1回あたりの歯みがき時間は?


歯をみがく回数と共に、他人の動向で気になるのが歯みがきの時間。家族以外の人が歯をみがく場面を見る機会など滅多になく(集団旅行の時ぐらいだろうか?)、自分のみがく時間は長いのか短いのか、比較がしにくい。さて実態は……。

↑ 1回の歯磨き時間の平均(2015年)(1日1回以上歯を磨く人限定)
↑ 1回の歯磨き時間の平均(2015年)(1日1回以上歯を磨く人限定)

↑ 1回の歯磨き時間の平均(1日1回以上歯を磨く人限定)(概算平均)
↑ 1回の歯磨き時間の平均(1日1回以上歯を磨く人限定)(概算平均)

最多数派は1分から3分未満で4割強、次いで3分から5分未満で1/3。1分未満は約4%。それらを合わせて5分未満で8割強。無論時間が長ければ良い、短いとダメではなく、上手なみがき方も必要不可欠ではあるのだが、1分未満では必要な部分を磨ききれないだろう。また、男女別ではほとんど差が出てないのは興味深い。

経年変化ではあくまで概算でしかないが、時間は伸びる傾向にある。今後の動向が楽しみな雰囲気には違いない。



虫歯になる・ならない、そして口臭や歯槽膿漏に関しては個人差が大きいことで知られている。いくらきれいに長時間かけて歯をみがいても虫歯になりやすく口臭が酷い人もいれば、ほとんど歯をみがかなくても虫歯と無縁な人もいる。

とはいえ、歯をみがかない方が虫歯に成りにくいとの話は無い。適切な道具を用いて適切な場面で、適切なみがき方で歯みがきをするよう、心がけたいものである。


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