基本的に虫歯は自然治癒することが無く、放置していれば悪化する一方の病症として知られている。気が付いた時点ですぐに手を打つことが望ましいのだが、時として「これは虫歯では無い」「気のせいだ」と自己暗示による現実逃避を行い、結果として事態の悪化を招くことがある。ライフメディアのリサーチバンクが2015年6月3日に発表した「歯に関する調査」によれば、現在虫歯がある人は2割強に達していたが、虫歯が無いとする人は5割程度に留まり、残りの3割近くは「自分が今、虫歯を有しているか否かが分からない」と答えている(【発表リリース:歯に関する調査(2015年)】)。



虫歯治療中6%、未治療14%


今調査は2015年5月22日から27日にかけて10代から60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。

過去の経歴では無く、回答時点で虫歯があるか否かをズバリ尋ねたところ、未治療で虫歯ありは14.0%、治療中の虫歯がある人は6.3%、合わせて20.3%の人が虫歯を有していると回答した。

↑ 今、虫歯があるか(2015年)
↑ 今、虫歯があるか(2015年)

興味深いのは自分自身が虫歯を有していると自覚しながら、治療をしていない人が、治療中の人と比べて相当多いこと。2倍強もの差が出ている。放置しておいて治るものではないのだから、確定次第すぐにでも治療にとりかかるべきなのだが。やはり治療に割く時間が不足しているのだろう。

男女別では女性の方がいくぶん虫歯率が低い。デンタルケアに熱心な表れが出ている。とはいえ事実上は誤差の範囲でしかない。

気になるのは29.5%、男性だけなら3割超の人が「自分が虫歯を有しているか否かが分からない」と答えていること。「自分は虫歯は無いと断言できるが、あるいは気が付かない部分があるのかも…そう考えると、ちょっと自信が無くなってきた」なのか、「もしかしたらこれは虫歯の痛みかもしれないが、それを確証付けるだけの証拠は自分で得られない」からなのか。恐らくは多分に後者だと思われるが、その内情までは今件調査では判断できない。

定期的な歯科検診を受けているか


「自分が虫歯持ちか否かが分からない」場合でも、歯科で健診をすればその嫌疑を晴らす、あるいは確定付けることができる。無ければ「良かったね」で済み、あった場合もすぐに治療に取り掛かれば、虫歯による影響は最小限で済む。

↑ どの位の頻度で歯の定期健診を受けているか
↑ どの位の頻度で歯の定期健診を受けているか

月一で歯科健診に足を運ぶ人も数%いるが、概して半年から1年が最頻度ペースとなる。ただし「それ以下」「定期健診は受けず」の回答率は具体的設定期間ありの事例よりも大きく、多分の人は「歯科の健診は定期的には受けない」との考えを持つことになる。歯が気になった時、痛みを感じた際に、初めてチェックしてもらうのだろう。男性よりも女性の方が健診頻度は短いが、それでも1年位に1回も受けないとの人は53.3%にも及んでいる。



大型の病院でも歯科が入っていない、独立している事例もあり、自治体が提供している健康診査や、企業が法律上義務付けられている定期健康診断でも歯科検診は含まれていない場合が多い。一人一人が自主的に健診を受けることが必要になる。

本文にある通り、多くの人が自分自身に虫歯があるか否かを判断出来ないままでいる。見方を変えれば、仮に虫歯になっていたとしても、初期の状態であることが多い。その時点で治療に取り掛かれれば、色々な意味で虫歯による影響は最小限に抑えられる。面倒と思わず、少なくとも1年に1度の割合で、通常の健康診断と連動する形で、歯科検診も合わせて受けることをお薦めする。


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