死後の世界のあるなし、有り様は生物学的・宗教学的なところがあるのでさておき、人もまた生物(せいぶつ)である以上、少しでも長生きをしたいと思うもの。高齢社会化する昨今においては、その「長生き願望」はより一層社会において注目を集める事象の一つとなる。それでは具体的に、中堅層やシニア層においては、何歳ぐらいまで生きたいと考えているのだろうか。ライフメディアのリサーチバンクが2014年7月9日に発表した「健康に関する調査」の結果から、その実態をたどることにする(【発表リリース:健康に関する調査】)。



今調査は2014年6月18日から19日にかけて40歳以上の既婚男女を対象にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200件。男女比は1対1、世代構成比は40代・50代・60代以上で均等割り当て。

今調査対象母集団に対し具体的に、回答者自身は何歳ぐらいまで生きたいかを聞いたところ、最多回答層は80代前半となった。比率は29.8%でほぼ3割。

↑ あなたは、何歳ぐらいまで生きたいと思いますか?
↑ あなたは、何歳ぐらいまで生きたいと思いますか?

最多回答層の80代前半を中心に、70代後半から80代後半で2/3近くを占めている。現時点での日本の平均寿命は男性が約80歳、女性が約86歳。大よそ平均寿命をカバーしていることになる。心境的には「平均寿命までは生きたいな」というところなのだろう。90歳以上まで生き長らえたい人も2割近くいる一方で、70歳を前に人生を全うしても良いと考えている人も7%近くいる。現状や心境、価値観など事情は人それぞれだが、色々と複雑な感はある。

これを男女別に見たのが次のグラフ。

↑ あなたは、何歳ぐらいまで生きたいと思いますか?(男女別)
↑ あなたは、何歳ぐらいまで生きたいと思いますか?(男女別)

男女とも現在の年齢世代別回答数は同じなので、男女で世代構成比が異なるので、結果も違うものとなったという説明はできない(回答者の現在の年齢別回答率も興味はあるが、残念ながら今報告書では非公開)。パッと見で分かる通り、80代後半で女性の比率が男性よりかなり高く出ており、平均寿命位までは、と望む意見が多いことが分かる。ただし男性の平均寿命が該当する80代前半の方が、女性においても回答率がもっとも高く、平均寿命云々というよりは一つの目安として、80代前半が認識されているものと思われる。

他方、その世代を超えて90代前半、さらには100歳以上になると男性の方が回答率はグンと高くなる。長寿における願望は、男性の方が概して強いようだ。



日本では77歳で喜寿、88歳で米寿などのように、区切りの良い長寿年齢になると、長生きを祝う社会的慣習がある(【長寿のお祝いを学ぼう(シャディ)】)。一番有名なのは60歳の還暦だろう。100歳を祝う百寿を迎えるのはなかなか難しいかもしれないが、心身共に健康を維持したまま、長寿をお祝いされたいと思う人も多いに違いない。いわゆる「生命表」を基に自分の年齢から平均余命を算出し、それとにらめっこをしながら、健康への留意をしていくことをお勧めしたい。


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