元々はサラリーマンなどの滋養強壮、栄養補給などが主な期待効果として挙げられ、対象層もそれらが中心だった栄養ドリンク・エナジードリンク。受験戦争華やかな時期には子供達の間でも飲まれるようになり、さらに昨今は若年層を中心に、炭酸飲料の新しい方向付け的な価値観のもと、急速に新しいブランドの商品浸透が進んでいる。今回はそれら栄養・エナジードリンクの利用目的の一つとして多くの人が実経験しているであろう、「徹夜明けの朝」との状況下で飲みたいと思う品目について、ネットエイジアが2014年9月5日に発表した調査結果から確認していくことにする(【発表リリース:栄養ドリンク・エナジードリンクに関する調査2014】)。



徹夜明けはリポビタンDと共に朝日を迎える


今調査は2014年6月28日から30日に渡り、栄養ドリンク・エナジードリンクの飲用経験がある15歳から59歳の男女に、携帯電話によるインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000件。男女比は均等、世代構成比(10代から50代)はほぼ均等割り当て。

疲れを覚えた時、元気を出したい時、リフレッシュしたい時……栄養・エナジードリンクに手を出す場面は多種多様だが、その中でも多くの人が実体験しているであろう場面が「徹夜明け」。成さねばならない作業をある程度終え、疲れが極限まで溜まり、かなりの眠気も蓄積されている。ロールプレイングゲームならばステータス画面にさまざまな異常が表示されている状態で、少しでも喝を入れてすっきりさせたい時に、どのような種類のドリンクを望むだろうか。全体では断トツで「リポビタンD」を選ぶ人が多かった。

↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)
↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)

単純に飲んだ経験があるドリンクなら「オロナミンC」にトップの座を明け渡したものの、徹夜明けという状況下では思いっきり大差をつけて君臨するその「リポビタンD」の姿には、頼れるメジャーどころのドリンク剤としての風格すら覚えるものがある。

次いで人気を集めているのは「ユンケル」で3割近く。「リポビタンD」と同じく栄養ドリンク系ではあるが、世間一般的には緊急度・効用度の面でグレードが高い感は強い。それだけ徹夜明けの朝はキツイとの認識があるのだろう。

それらに続くのは「メガシャキ」「レッドブル」「オロナミンC」「眠眠打破」「アリナミン」。比較的強めのエナジードリンク系や、目覚まし的な効用が特に期待できる商品が複数確認でき、眠気覚ましの効用に大きな期待が寄せられているのが分かる。逆に、通常の清涼飲料水に近い、大人しめなタイプのドリンクはあまり票を集めていないのも、より強い効用を求めている裏付けとなる。

女性はエナジードリンク系が苦手?


続いて属性別。まずは男女別だが、ツートップの「リポビタンD」「ユンケル」の手堅さは変わらない。

↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)(男女別)
↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)(男女別)

回答値に大きな差異が出るのは3位以降。女性は男性と比べて「メガシャキ」「眠眠打破」のような眠気覚まし効用がはっきりとしているもの、知名度が高く飲みやすい「オロナミンC」の支持率が高い。

他方男性は「レッドブル」のようなエナジードリンクの値が高い。特に男性のエナジードリンク好きは他項目、例えば「これまでに飲んだことがあるドリンク」「気合いを入れたい時に飲みたいドリンク」「気分転換の際に飲みたいドリンク」など多数の状況下で選択されるドリンク項目でも表れている。エナジードリンク系のプロモーションやパッケージ、うたわれている効用などから、荒々しさを覚え、女性は幾分腰が引けてしまうのだろうか。

世代別では各ドリンクの好き嫌いが結構明確に出ている。

↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)(世代別)
↑ 徹夜明けの朝に飲みたいと思う栄養ドリンク・エナジードリンク(上位陣、複数回答)(世代別)

若年層は「リポビタンD」「レッドブル」などを好み、中堅層以降になると「ユンケル」が大きく伸びる。40代で「ユンケル」は「リポビタンD」を抜き、徹夜明けの友として最上位につくことになる。世代による味のとらえ方の違いの他に、栄養・エナジードリンクの類は一度自分が好んで常飲し始めると、それを継続する傾向が強いことから(定番アイテムとして習慣化する)、昔から長らく販売されている、効力を期待したい時の一本として知名度が高い「ユンケル」が選択されたものと考えられる(ユンケルの店頭販売開始は1967年)。



栄養・エナジードリンクの類がスーパーやコンビニで満ちあふれる昨今だが、中でもエナジー系ドリンクの積極的なプロモーションぶりには驚かされるばかり。現在は若年層にターゲットを絞っているようで、実際に需要もその層が中心となっている。今後それらの世代が歳を経るに連れて、利用層も拡大していくのだろうか。気になるところではある。


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