長期間日常生活から隔離されることになる入院生活では、経験の有無を問わず、さまざまな不安を抱き、その不安の解消を望み、願望を持つことになる。それらの望みについて、ライフネット生命保険が2014年9月25日に発表した「入院に関する調査結果」で確認すると、最上位についた項目は「食事が美味しいのが望まれる」だった。6割近い人が食事(病院食)の美味しさを求めていた。女性に限れば2/3に達している(【発表リリース:入院に関する調査】)。



今調査の調査要項などは先行記事の【入院中・退院後のあるある話、もっとも困ったのは?】を参照のこと。

入院経験の有無を問わず、入院時に病院にお願いしたいこと、希望したいことを尋ねた結果が次のグラフ。最上位の要望は「食事が美味しいこと」だった。6割近い人が望んでいる。

↑ 入院時における病院などへの希望・願望(複数回答)
↑ 入院時における病院などへの希望・願望(複数回答)

もっともこの問題は以前から意見として取り上げられていることから、昨今では各病院とも病院食の改善に努めている。もちろん病症との関係で味的には今一つの食事を出さねばならない場面も多々あるが、制限の中で最大限の努力をしている様子は十分にうかがえる。病状次第だが、クリスマスにはチキンとケーキ、お正月にはおせち料理が出ることもある(経験者は語る)。

次いで多い意見は「個室料金・差額ベッド代を安くしてほしい」で54.8%。大部屋が苦手な人には個室の病室などは魅力的なものだが、同時に入院費も跳ね上がることになる。次点の「個室入院」同様、希望とお財布事情との天秤が大きく揺れ動くものだが、実質的にはこの項目に関しては、むしろ金額が上昇する傾向にあると見て良い(こちらも経験則から)。

「無料で使用可能なパソコンを整備してほしい」との意見も多い。先日医療施設内での携帯電話の利用についてガイドラインが新しいものとなったことに代表される通り、デジタル技術の進歩・端末の普及に伴い、インターネットに関する取り決めも随分と変化を示している。インターネットが使えるパソコンを整備してもらえれば、時間を有意義に過ごせることもあり、需要が高いのも納得がいく(。ただしその分、「静養」との観点ではマイナスに作用するが)。似たような意味合いの項目としては「漫画・小説・雑誌などのレンタル」も上位についている。

これを回答者の男女別に見たのが次のグラフ。

↑ 入院時における病院などへの希望・願望(複数回答)(男女別)
↑ 入院時における病院などへの希望・願望(複数回答)(男女別)

大よそ女性の方が希望の回答率は高い。特に「ランドリーサービス」「女医の診察」では高い値を示している。女性ならでの問題に、高い関心を示しているのがうかがえる。また「子供の世話を見る施設」でも男性との間に大きな差異が確認できる。

男性の方が高回答率を示しているのは「イケメン・美人な医師や看護師」「病院で仕事が出来るように会社が協力」「大部屋で入院」の3項目のみ。仕事や大部屋は何となく理解はできるが、イケメン云々というのは、少々閉口する人もいるのではないだろうか。

ともあれこれらの要望は、病院から見れば患者のストレス軽減、環境改善への大きなヒントとなる。実際病院食は上記の通り、以前と比べれば随分と改善されている。料金体系の面など経営上不可能な項目もあるが、その他のサービスの点でより良い環境づくりを目指して欲しいものだ。


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