
今調査は2014年8月12日から19日にかけて20歳から79歳の人に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は7827人。そのうち、アテネ不眠尺度という方法を用いて不眠症の疑いがあると判断された人は2979人、少しあると判断された人は1437人、不眠症で通院中の人は370人、疑いなしの人は3041人。
不眠症を引き起こす原因の一つに挙げられるのが、寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われる行動を実施すること。良くある「寝る前に興奮するようなことをするとなかなか寝付けない」が良いサンプルとなる。今調査ではその行為の具体例として、テレビの視聴、パソコンやタブレット型端末、スマートフォンの操作、飲酒、考え事、ゲーム、喫煙、コーヒーなどのカフェイン摂取を挙げ、寝る前にこれらの行動を普段しているか否かを尋ねた結果が次のグラフ。回答者を不眠症の疑いなし、疑い少しあり、疑いありの3区分に分けて回答率を精査している。

↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い
これらはそれぞれ不眠症の疑い別に、各行動をしている人がこれだけいたという話であり、各行動が直接不眠症のトリガーになることを示す因果関係を証明するものでは無い。一方で、疑いの度合いが強くなるほど回答率が高い項目があれば、少なくとも相関関係は存在し、因果関係についても考察の余地があることになる。
とりわけ大きな差が出ているのは「パソコン・スマートフォン・タブレット型端末の操作」で疑いなしと疑いありとの間では15.0%ポイント近い違いが出ている。「考え事」もそれに近い差異で、倍率では6倍以上にもなる。また差は小さいものの「飲酒」「ゲーム」「喫煙」「カフェイン摂取」もすべてが皆、「疑いあり」の方が高い値を示している。ほとんど差が無いのはテレビぐらいだが、これはこれで元々多くの人が行動しているからとも受け止められる。
このうち上位の「テレビを観る」「パソコン・スマートフォン・タブレット型端末の操作」を男女世代別に見たのが次のグラフ。

↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い(「テレビを観る」、不眠症の疑いあり層限定)

↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い(「PC・タブレット・スマホを操作する(除ゲーム)」、不眠症の疑いあり層限定)
テレビはほぼ女性の方が回答率が高く、また歳を経るほど高くなる。ゲーム以外のネット端末では40代までは女性、それより年上では男性の方が高く、また若年層ほど高い傾向にある。それぞれが元々不眠症のあるなしに関わらず高い連動性を有する行動で、直接の不眠症との関連性は見いだせない。
しかし見方を変えると、例えば20代で不眠症の疑いがある女性の7割近くは寝る前にネット端末を操作していることになる。最初のグラフから見えてくる「ネット端末の操作を寝る前に行うと、不眠症のリスクが高まる可能性がある」と合わせみると、昨今の就寝前の生活様式における不眠症との関連性を、改めて考えさせれる値には違いない。
1日は24時間しかないため、日頃の生活が充実して来たり、やりたいことが増えてくると、つい睡眠時間を削ってしまい、また就寝直前までさまざまな事柄を手掛けたくなる。しかしそれが原因で睡眠時間が削れ、しかも質の高い睡眠を妨げられてしまうと、中長期的に体調を崩すだけでなく、さまざまなトラブルを引き起こしたりする。例えば自動車を運転する機会がある人は、運転中の判断が遅れたり、さらには居眠りをしてしまうかもしれない。
昨今では特に携帯電話、とりわけスマートフォンへの注力のあまり夜更かしをし、寝る直前まで操作を続ける人が増えている。当然睡眠時間そのものと睡眠の質の双方で、リスクは上乗せされる。せめて寝る前は心身を休ませ、スマホなどから手を離すことから始めてはいかがだろうか。
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↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い
これらはそれぞれ不眠症の疑い別に、各行動をしている人がこれだけいたという話であり、各行動が直接不眠症のトリガーになることを示す因果関係を証明するものでは無い。一方で、疑いの度合いが強くなるほど回答率が高い項目があれば、少なくとも相関関係は存在し、因果関係についても考察の余地があることになる。
とりわけ大きな差が出ているのは「パソコン・スマートフォン・タブレット型端末の操作」で疑いなしと疑いありとの間では15.0%ポイント近い違いが出ている。「考え事」もそれに近い差異で、倍率では6倍以上にもなる。また差は小さいものの「飲酒」「ゲーム」「喫煙」「カフェイン摂取」もすべてが皆、「疑いあり」の方が高い値を示している。ほとんど差が無いのはテレビぐらいだが、これはこれで元々多くの人が行動しているからとも受け止められる。
このうち上位の「テレビを観る」「パソコン・スマートフォン・タブレット型端末の操作」を男女世代別に見たのが次のグラフ。

↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い(「テレビを観る」、不眠症の疑いあり層限定)

↑ 不眠症への疑い度合い別・寝る前に脳の覚醒を引き起こすと言われている行動をしている度合い(「PC・タブレット・スマホを操作する(除ゲーム)」、不眠症の疑いあり層限定)
テレビはほぼ女性の方が回答率が高く、また歳を経るほど高くなる。ゲーム以外のネット端末では40代までは女性、それより年上では男性の方が高く、また若年層ほど高い傾向にある。それぞれが元々不眠症のあるなしに関わらず高い連動性を有する行動で、直接の不眠症との関連性は見いだせない。
しかし見方を変えると、例えば20代で不眠症の疑いがある女性の7割近くは寝る前にネット端末を操作していることになる。最初のグラフから見えてくる「ネット端末の操作を寝る前に行うと、不眠症のリスクが高まる可能性がある」と合わせみると、昨今の就寝前の生活様式における不眠症との関連性を、改めて考えさせれる値には違いない。
1日は24時間しかないため、日頃の生活が充実して来たり、やりたいことが増えてくると、つい睡眠時間を削ってしまい、また就寝直前までさまざまな事柄を手掛けたくなる。しかしそれが原因で睡眠時間が削れ、しかも質の高い睡眠を妨げられてしまうと、中長期的に体調を崩すだけでなく、さまざまなトラブルを引き起こしたりする。例えば自動車を運転する機会がある人は、運転中の判断が遅れたり、さらには居眠りをしてしまうかもしれない。
昨今では特に携帯電話、とりわけスマートフォンへの注力のあまり夜更かしをし、寝る直前まで操作を続ける人が増えている。当然睡眠時間そのものと睡眠の質の双方で、リスクは上乗せされる。せめて寝る前は心身を休ませ、スマホなどから手を離すことから始めてはいかがだろうか。
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