就業者において人間関係で一番厳しい立場にあるのは中間管理職だとの説がある。上司と部下、双方からはさみ撃ちにされるからだ。それと似たような立ち位置、具体的には年老いた親と自分自身の子供にはさまれる状態となる中堅層の人たちは、親孝行をどの程度実行しているのだろうか。金銭的な尺度で見た結果を、メディケア生命が2014年11月11日に発表した調査結果から見ていくことにする(【発表リリース:家族の絆と老後の生活に関する意識調査2014】)。



今調査は2014年10月21日から23日にかけて、親と配偶者、そして子供がいる40代・50代の男女(要は夫婦世帯で子供が居て、さらに親が存命な人)に対してインターネット経由で行ったもので、有効回答数は1000人。40代・50代と、男女比は均等割り当て。調査担当企業はネットエイジア。

今調査対象母集団はそれなりに金銭的な余力があり、自身も子供を抱えて「親が何たるものか」をある程度自認するようになった世代。自身の親に対する想いも、これまでとは少々異なるようになってくる。そこでいわゆる「親孝行」に、1年間でどの位の金額を使えるか聞いたところ(自由回答形式で、精査時に区分化)、全体では平均額で約7万4000円という結果が出た。回答設定上限は100万円だが、その回答者が1.4%もいる。

↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか
↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか

大よそ二つの山があり、一つは「数万円」、もう一つは「10万円前後」。具体的な出費方法は誕生日や結婚記念日のプレゼントやお祝い、旅行の贈呈、一緒に行楽地へ行くなど多様なパターンが考えられる。あるいは直接、金銭的なサポートをすることもあるだろう。選んだ出費方法によって金額の見積もりも変わってくる。

直上の通り上限値の100万円回答者が1.4%いる一方、ゼロ円との人も6.3%確認できる。親子関係は多種多様で、またお財布事情も千差万別。ゼロ円には色々な意味があることは容易に考えられるが、寂しい話には違いない。

これを回答者の性別に見たのが次のグラフ。

↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか(回答者男女別)
↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか(回答者男女別)

↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか(平均額、円)
↑ 親孝行に一年間でどれくらいの金額を使えるか(平均額、円)

最大回答区分が男性では10万円台、女性では5万円から10万円未満という実態から分かる通り、平均額では男女間で約3万円ほどの開きがある。またゼロ円の回答率は男性の方が高いものの、100万円も男性は女性の2倍近く、50万円から100万円未満も3倍強の回答率を示している。

女性の方が金額が低いので、親孝行度は女性の方が下、というわけでは無い。心境的なものは個々異なるため物差しで測る、数量化できるわけはない。それに元々自由に使える(家計全般では無く、いわばプライベート的な使い方として)金額は全般的に女性の方が少なく、必然的に金額は抑え気味になる。また同調査別項目にある通り、最近親孝行をしていると思う人の割合、そして具体的な親孝行の項目共に、男性よりも女性の方が多い結果が出ている。例えば自分の話をしたり親の話を聞いたり、家事の手伝いをしたり、一緒に買い物に付き合うなどである。

要は金額的に余裕がある男性はお金をより多く、時間的なやりくりをし易い女性は具体的行動で、それぞれ親への敬愛を示しているのだろう。もちろん今回算出された平均額は、今後何か親孝行をしたい時の指針となるに違いない。


■関連記事:
【ダイエット、貯金、節電…今年の目標何にした? どれだけ達成できた!?】
【高齢者人口3296万人で過去最多、総人口比は1/4超に(2014年・敬老の日)】
【増える独り身・高齢者のみ世帯…高齢者がいる世帯の構成割合(2014年)(最新)】


スポンサードリンク