マルハニチロは2015年2月26日、食生活と健康に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、食生活を見直した経験がある人は男性で2/3近く、女性では8割近くに達していることが分かった。そのきっかけとしては「体重計で自分の体重を見た」がもっとも多く、「健康診断の結果を見た」が続いている。男女別では男性は「健康診断」の方が上だが、女性は「体重計で自分の体重」が他項目を大きく離して高い値を示している(【発表リリース:食生活と健康に関する調査】)。



食生活の見直し経験者、男性は2/3、女性は8割


今調査は2015年1月21日から23日にかけて15歳から69歳までの男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。調査会社はネットエイジア。

今調査対象母集団に対しこれまで自分の食生活を見直した経験があるか否かを聞いたところ、男性では64.4%、女性では79.0%が経験ありと回答した。

↑ これまでに食生活を見直した経験があるか(ある人)
↑ これまでに食生活を見直した経験があるか(ある人)

そこでその見直し経験者に、どのような事柄がきっかけで見直しを試みたかを聞いたところ、もっとも多い理由としては「体重計で自分の体重を見た」が挙げられた。54.0%が同意を示している。つまり食生活を見直した人の過半数は、体重計で自分の体重を量って知り、それがきっかけとなった次第。漫画などでよく見られる描写がリアルにあちこちで起きていることになる。

↑ 食生活を見直したきっかけ(経験者限定、複数回答)
↑ 食生活を見直したきっかけ(経験者限定、複数回答)

次いで多いのは「健康診断の結果を見た」で40.2%。さらに「鏡で自分の姿を見た」が31.8%。いずれも客観的に自分自身の健康状態を知り、その問題と思われる状態(主に体重の多さそのもの、あるいはそれに起因するものだろう)を再認識すると共に、その主原因と想定される食生活の改善をしなければと思い至ったと考えれば道理は通る。「いつも着ていた服がキツくなった」などもこの類。

メディアで色々な食生活に関する情報を得て、感化される形で食生活の改善を試みた例としては「テレビ番組を観た」が一番多く21.8%。「雑誌記事」が7.0%、「新聞記事」は4.9%。食生活に関連する影響力の強さもまた、テレビが絶大なものを持っていることが分かる。

食生活の見直しのきっかけ、女性は多種多様


この「食生活を見直すきっかけ」について男女別に再整理したのが次のグラフ。

↑ 食生活を見直したきっかけ(経験者限定、複数回答)(男女別)
↑ 食生活を見直したきっかけ(経験者限定、複数回答)(男女別)

男性は職場での健康診断の機会が多いことから「健康診断の結果を見た」の回答値がもっとも高く49.7%、次いで「体重計で自分の体重を見た」が42.2%で続いている。ところが女性は「体重計で自分の体重を見た」が最も多く63.5%、次いで「鏡で自分の姿を見た」が40.5%で続いており、自分自身で現状を把握する機会を得て、食生活見直しを決断した場合が多いことが確認できる。

その他の項目も大よそ女性の方が高率を示しており、女性が健康に留意し(特に体重面)、食生活を見直すきっかけを得る機会が多い事がうかがえる。男性の方が高いのは「健康診断」以外では「周囲から『太った』と言われた」「医師の指導を受けた」「食育を受けた」位なもので、いずれも男性の方が高い理由が容易に分かるものばかりである(「太った」と周りから言われた人が女性では少ないのは、デリカシーの問題が多分にあるだろう)。

なおこれは「食生活の見直し経験者」に限定した回答率。逆算して調査対象母集団全体の性別比を算出したのが次のグラフ。

↑ 食生活を見直したきっかけ(調査対象母集団全体、複数回答)(男女別)
↑ 食生活を見直したきっかけ(調査対象母集団全体、複数回答)(男女別)

例えば「体重計で自分の体重を見た」の女性は50.2%となっているので、15歳以上の女性のほぼ半数は「体重計で自分の体重を見て、食生活を見直す経験を持っている」ことを意味する。女性の3割強は「鏡で自分の姿を見て」、2割強は「いつも着ていた服がキツくなって」「テレビ番組を観て」食生活の見直しをしたことがある。改めて数字化されたものを確認すると、驚かされる値ではある。


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