人は生活し成長するためのエネルギーや栄養素のほとんどを食事によって摂取する。当然、その摂取内容やスタイルが悪いと、身体の健康状態や成長の点で大きな問題が生じることもある。子供の健やかな成長を願う親の立場としては、子供にどのような食事上の悪癖について、改善を望んでいるのだろうか。マルハニチロが2015年2月26日に発表した食生活と健康に関する調査結果から、その実態を確認していく(【発表リリース:食生活と健康に関する調査】)。



今調査は2015年1月21日から23日に渡り15歳から69歳までの男女に対し、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。調査会社はネットエイジア。

次に示すのは調査対象母集団のうち幼児以上の子供と同居している親の立場にある人に限定し、自分の子供の食事について改めてほしいと思っていること、表現を変えれば現在子供が有している食事上の悪癖(と親=回答者が判断しているもの)を答えてもらったもの。もっとも多い意見は「好き嫌い・栄養バランスの偏り」で34.4%となった。

↑ 子供の食事について改めて欲しいと思っていること(複数回答、幼児以上の子供と同居している親限定)
↑ 子供の食事について改めて欲しいと思っていること(複数回答、幼児以上の子供と同居している親限定)

子供の好き嫌いは親にとって悩みの種であることは良く見聞きするだけでなく、自分自身も子供の立場だった際に有していた人は多いはず。1/3強との値はむしろ少ないようにすら思えてくる。

次いで多いのは「間食が多い」、「食事時間が不規則」「同じものばかり食べる」が続く。多分に親側がコントロールできそうな項目が多いが、現在「改めて欲しいと思っている」項目であることから、親側には制御できない状況なのだろう。親がつい甘やかしてしまうのか、子供が勝手に食育的なしつけを守らないのか、そこまでは判断が出来ないが。

これを子供の現在の成長区分別に見ると、それぞれの項目で納得が出来る回答率を示していることが分かる。



↑ 子供の食事について改めて欲しいと思っていること(複数回答、幼児以上の子供と同居している親限定)(子供の成長区分別)
↑ 子供の食事について改めて欲しいと思っていること(複数回答、幼児以上の子供と同居している親限定)(子供の成長区分別)

好き嫌い、食べ残しは子供の成長と共に鎮静化していく。これは多くの人が自分自身の経験則で知っているはずだ。他方、間食に関する値は年齢による違いが無く、間食の魅力の程が改めて思い知らされる。

逆に「食事時間が不規則」は歳を経るに連れて確実に増加していく。これはスケジュールに振り回される機会が増えるため、仕方がない面もある。社会人は特にその傾向が強い。また回答値そのものは高くないものの、「寝る前の食事」「濃い味付け」「外食」「弁当・惣菜・宅配」「夜食」もまた年上の方が高い値を示している。親の管理を離れる機会、時間が増えると共に、食事にも自由さが増し、その分親の視点からは心配な食生活をする場面が増えてくるのだろう。

子供が実際にいる人はこれらの項目をチェックすることで、子供の食生活を再確認できることになる。また子供に限らず自分自身の問題点を洗い直すリストとしても使えよう。好き嫌いなく栄養バランスの取れた食事をしているだろうか、間食は控えているだろうか、食事は規則的に摂っているだろうか。……耳の痛い人も多いに違いない。


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