
全体では約3割が肥満か過体重。肥満だけなら15.5%
肥満の定義、各用語の詳細などは先行記事「アメリカ合衆国の肥満状態」を参照のこと。子供(14-17歳)のデータだが、冒頭の通り2年毎の計測であるのに加え、計測年によって値が公開されていない(調査が行われていない)州・地域も複数見受けられる。毎回同じ州・地域が未公開なのではなく、年によって未公開州・地域に違いがあるため、前回比では特に値を計算できる州・地域が少なくなってしまうことを改めて記しておく。
それではまず最初に、記事執筆時点で直近年分となる2019年時点で肥満判定を受けている対象年齢階層の割合。全土の値は具体的な値が示された州・地域のみの合算平均。

↑ アメリカ合衆国の14-17歳における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)
アメリカ合衆国全土の中央値では15.5%。最大値を示すGuam州では23.8%と2割を超える値を示している。2021年時点だが大人における中央値33.9%、3割以上の州・地域が44の状態から比べれば、かなり低い値にとどまっている。しかしそれでもなお、見方を変えれば高校生ぐらいの時点ですでに1割以上が肥満状態にあるのは、それなりに留意すべき状況に違いない。
これを大人の時同様に、「過体重」、「標準(体重)」+「やせ型」も加味し、構成比率を確認したのが次のグラフ。

↑ アメリカ合衆国の14-17歳における肥満判定者などの比率区分(CDC・BRFSS、州・地域別)(2019年)
「肥満」が少ない州・地域は「過体重」もおおよそ少なく、「標準」+「やせ型」の割合は多い。この状況は大人と変わらない。全土の平均では「肥満」と「過体重」で3割強。3割しか、なのか、3割も、なのかは判断が難しいところだが、仮に一つのクラスが30人で構成されていた場合、そのうちの9人は「肥満」か「過体重」、「肥満」に限れば4人強という状況は、決して少ない数ではない。
子供の肥満も増加中
続いて経年による肥満率の増減。前述の通り子供への調査は2年おきであることから、2017年分との比較となる。また2017年・2019年どちらの年でも未公開だった州はグラフからすべて除いている。

↑ アメリカ合衆国の14-17歳における肥満判定者比率(BMI30.0以上、CDC・BRFSS、2017年から2019年への変移、公開値のある州・地域のみ、州・地域別、ppt)
値を計算可能なのは41州・地域(全土除く)。そのうちプラスは28州・地域、最大値は3.4%ポイント。逆に最小値はマイナス1.8%ポイント。全土ではプラス0.7%ポイント。確実に増加状況にあることが確認できる。
子供のうちから肥満対策には手を打っておかないと、行動がより自由になる大人では、歯止めが利かなくなる可能性が高い。食生活をはじめとした肥満の要素に関して、正しい指導が欠かせまい。
■関連記事:
【アメリカにおける肥満と病気、健康的な生活との関係】
【男は中年・女は高齢ほど肥満者が多い法則(最新)】
スポンサードリンク